【NY市場】ISM指数が米利上げ期待を高める ドル円は100日線を回復

 きょうのNY為替市場、朝方発表になった米ISM非製造業景気指数が予想を大きく上回ったことで、ドル買いの反応が強まっている。前回は弱い内容だっただけに反動は予想されていたものの、新規受注も雇用も過去6ヵ月平均を上回っており、米サービス業のセンチメントは依然として強いことをうかがわせる。米利上げ期待を一歩確信に近づける強い内容だったと言えよう。

 米国債市場では政策金利に敏感な2年債の利回りが一時0.85%まで上昇しており8月の水準を上回ってきている。金曜日の米雇用統計次第のところもあるが、9月利上げが強く期待されていた時の水準でもあり、年内利上げをほぼ織り込んだとも言えよう。

 12月利上げがメインシナリオではあるが、FOMCメンバーである米地区連銀総裁の中には、11月利上げの可能性も示唆している。そうなると、年内2回の可能性も出てくるが、緩やかな利上げを主張しているメンバーも多いことから、さすがにその可能性はまだ低いように思われる。

 ドル円は103.65付近まで上昇。103.35から上には売りオーダーも観測されていたが、それを吸収しており、100日線まで到達している。

 ユーロは底堅さを堅持しており、ユーロドルは1.12台を維持している。ISM指数の発表直後は1.11台に下落したものの、下押しする動きはなく、1.12台に戻す展開。前日に一部報道で、ECBが現在実施している資産購入プログラムの期限である来年3月末までに量的緩和(QE)縮小を開始することでコンセンサスを形成しようとしているとの報道が引続きユーロをサポートしているようだ。

 なお、ドイツ銀行問題に関して、ドイツは米国と協議しているとの報道も伝わっていた。

 ポンドは下げ一服。ポンドドルはロンドン時間に一時1.26台まで下落し、31年ぶりの安値を更新していたが、NY時間に入って一時1.2770付近まで買い戻された。今週に入ってからの下落で過熱感も出てきており、過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは下げ過ぎ感を示す30に接近している。きょうは値ごろ感からの買戻しも入っていたようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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