【NY市場】ムニューシン発言きっかけにドル売り強まる ドル円は112円台に下落

 きょうのNY為替市場は朝方のムニューシン米財務長官のインタビューをきっかけにドル売りが強まっている。長官は「低金利は続く可能性。ドル高には一定の問題がある」と述べていた。前日のFOMC議事録を受けた失速でドルは方向感が無くなっていた中、長官の発言は一旦見切売りを誘発したようだ。

 ただ、長官は為替操作国への認定は従来と同じ手続きを踏んで実施するとも述べており、「対米黒字」「経常黒字」「為替介入」の従来の判断基準を維持することを明らかにした。4月に公表する外国為替報告書でも認定は見送る可能性が高い。

 ドル円は112円台に下落し、一時112.55付近に下落。きょうの下げでドル円は21日線を下回っており、早期に回復できるか注目される。

 一方、ユーロドルは買戻しが強まり、一時1.0595近辺の10日線付近まで戻している。きょうは仏国債の利回りが低下するなど、仏大統領選への懸念も一服していたことも買い戻しを誘ったようだ。注目の仏大統領選だが、オピニオンウェイの世論調査によると、5月7日の決選投票でのマクロン氏とルペン氏の支持率は60%対40%と前日の59%対41%から再び差が広がっている。

 ドルロング勢も一旦モメンタムを失った感じではあるが、このままドル売りが続くと見ている向きはまだ少ないようだ。

 前日のFOMC議事録では「かなり早期」の利上げの可能性に言及していた。ロックハート・アトランタ連銀総裁によると、「かなり早期」とは、この先3回のFOMCのことのようで、3月、5月、6月のどれかということになる。

 米地区連銀総裁からは3月FOMCでの利上げも選択肢にあるとの発言が相次いでいるが、市場はその可能性をさほど見ていない。確率は30%程度といったところであろう。しかし、市場の予想通り3月FOMCは据え置きだったとしても、イエレン議長の会見や経済見通しなどで利上げが強調される可能性は高く、現時点でその辺までは、市場も織り込んではいないようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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