【NY市場】緩やかなドル売りが続く ドル円も117円台前半に値を落とす

 きょうのNY為替市場は緩やかなドル売りが続いている。明日からクリスマス休暇ということもありプレイヤーも少ない。薄商いの中、短期筋のポジション調整が中心となっていたようだ。この日発表された米経済指標は強い内容となったものの反応は薄い。

 11月の米新築住宅販売件数が発表されており、年率換算で59.2万件と予想を上回った。今年7月以来の高水準。今週発表になっていた米中古住宅販売件数も好調な内容となっており、米住宅市場の堅調さを裏付けている。ただ、米住宅市場の堅調さが当たり前になっている面もあり、このところは為替市場も敏感に反応しないことも多い。

 ドル円も117円台前半に値を落としたが、下押す動きまでは見られず117円台は維持されている。再度上値を試しそうな雰囲気は強く、クリスマス明けに120円を試しに行くか注目される。

 ユーロは下げ一服の流れが続いているものの、依然として上値は重い。ユーロドルは強含む場面もあり1.0470近辺まで上昇する場面も見られたが、1.05を試す気配まではなく伸び悩んでいる。

 ユーロに関しては来年以降の政治リスクへの不透明感から下向きの流れが続くと見ている向きが多い。ユーロはパリティ(1.00)を割り込むとの見方は根強い。

 その政治リスクの一つにドイツ総選挙がある。予定では来年の後半であることから、しばらく時間はあるものの、移民問題でメルケル政権への支持が低下している中、今回発生したトラック突入テロも支持率に影響しているようだ。

 12月21日から23日に実施された世論調査によると、EU離脱や反移民を掲げている右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持率を2.5ポイント増やし15.5%に上昇した。一方、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟は1.5ポイント減らして31.5%と今月最低。また、連立パートナーの社会民主同盟も1ポイント減らして20.5%となっている。

 まだ、リードはしているものの、次第にその差は縮まってきているようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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