きょうのNY為替市場、前半はドル売りが優勢となったものの、後半は買戻しも見られている。ただ、全体的には明日のFOMCの結果発表を控えて様子見気分が強かった。そのFOMCだが、0.25%の利上げが確実視されており市場も完全に織り込んでいる。注目はFOMCメンバーの来年の金利見通しとイエレン議長の会見であろう。
このところの市場はトランプ氏の経済政策への期待でインフレ期待が高まっており米国債利回りの上昇と伴にドル高が強まっている。ただ、トランプ氏の経済政策はまだ具体的な詳細も見えておらず、閣僚を決めている段階だ。現時点でFOMCメンバーが見通しにこれらを織り込むかは未知数な部分が多い。
ただ、足元の経済指標が好調なことから、これをもって来年の金利見通しの中央値を9月FOMC時点の2回から上方修正してくる可能性が無いわけではない。しかし、FRBは依然として慎重姿勢を堅持との見方も市場には多く、その場合、過熱感が出ているドル相場に調整売りが強まるのではとの警戒感も出ている。クリスマスも接近。
ドル円はこの日発表になった11月の米輸入物価がマイナスだったことから114円台に下落する場面も見られた。ただ、直ぐに115円台に戻している。
前日は116円台に上昇したものの、特段の理由もない中、戻り売りが強まっていた。その流れを引継いできょうの早朝の東京時間には114.65付近まで下落。この下げで超短期的には上値へのモメンタムも一旦収まった感じだが、きょうのように115円台に直ぐに戻す動きを見ると上値期待は依然として健在とも思われる。
目先の上値抵抗は116.50、下値サポートは114.50といったところで、それぞれ売り買いのオーダーが並んでいる模様。
ユーロドルは上に往って来いの展開。1.0665付近まで一時上昇し、強い上値抵抗となっていた1.0650水準を上抜いたが、直ぐに押し戻されている。ただ、1.06台は維持。
明日のFOMCを控えてドル買いが一服していることがユーロの下支えとなっている模様。先週のECB理事会では来年の4月以降、資産購入額を減らす措置の発表と同時に実施期間は予想以上に延長しドラギ総裁も緩和姿勢を強調していた。
しかし、市場では原油も上昇していることからユーロ圏の消費者物価は来年以降上昇ペースを加速させ、ECBは予想以上に早い段階で量的緩和(QE)の拡大ペースを縮小させるとの見方も根強い。きょうは12月調査の独ZEW景況感指数が発表になっていたが、予想を大きく上回る内容となっていた。夏場のドイツ企業のセンチメントの落ち込みは一時的だったことが暗示されている。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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