きょうのNY為替市場はドル買い戻しがやや優勢となっていた。きょうは原油相場の下げ一服しており、NY時間に入ってドル円も買い戻しが優勢となった。一時111.45円近辺まで上昇。
米インフレ鈍化懸念から米国債利回りの下げが続いており、きょうの10年債利回りは一時2.13%台まで低下していた。しかし、先日のFOMC以前ほどは、米国債利回りの下げに対するドル円の反応は緩くなっている印象もある。先日のFOMCでFRBが正常化に向けてタカ派姿勢を堅持していたことが、要因の一つとして考えられるであろう。
また、これまでドル売りの受け皿となっていたユーロが、以前ほどの勢いが無いことも要因としてあげられる。前日のユーロドルはポイントとなっている1.1150水準を突破したが、上値が重く、再び1.1150ドル水準を割り込む動きも見られていた。
先週、米先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM投機筋の建玉レポートによると、ユーロの買い残もかなり積み上がっておりファンド勢も、お腹一杯になっている様子もうかがえる。市場は原油安が米インフレ鈍化の主要因と見ているようだが、それはユーロ圏も同じことが言える。
しかし、ドル円の上値は依然として重く、終盤には米株が伸び悩んだことで、ドル円も111円台前半に伸び悩んだ。ただ、方向感がなく狭い範囲での値動きに終始していた印象。
ポンドは方向感のない値動き。今週はカーニー英中銀総裁が利上げに否定的な見解を示していたが、前日はホールデン委員が利上げの可能性も示唆していた。今月の金融政策委員会(MPC)では、利上げを主張した委員が、これまでのフォーブス委員に加え2名増え、5対3での据え置き決定となっていた。
英消費者物価(CPI)が総合指数で前年比2.9%と、財務相に説明の書簡を送付しなければならない3%超の水準に接近する中、市場には早期利上げも選択肢にあると見る向きも出て来ている。中には、次回の8月MPCでの0.25%の利上げの可能性を指摘する向きもいるようだ。8月はインフレ報告が発表になる月でもある。ただ、上記のフォーブス委員は6月末で退任する。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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