きょうのNY為替市場は年末で全体的に薄商いの中、短期筋の投機的動きやポジション調整が中心となった。前日は日本時間1時のロンドンフィキシングにかけてドル売りが強まっていたが、きょうも動きがあるか注目された。ただ、フィキシングにかけて緩やかにドル売りが優勢になったものの、フィキシングを通過するとドルは買戻しも見られ、前日のような動きまでは見られなかった。年末のポジション調整も大方終了していたようで、波乱なく通過といったところ。
来年発足するトランプ政権の経済対策やFRBの早い利上げペースへの期待で為替市場はドル高が強まっているが、年末になって少しポジションの見直しもあるのかもしれない。まだ、トランプ氏の経済政策は具体的には何も見えていない。
ドル円は概ね116円台後半での推移が続いた。フィキシング直前に116.40円近辺まで瞬間的に下落する場面があったものの一時的な動きに留まっている。117円台は上値が重かったが、116円台半ばを割り込むと押し目買い意欲も強まるようだ。
ユーロドルは1.05台で推移。東京時間の朝方に急速に上昇し、心理的節目の1.05を一気に突破した。ストップを巻き込んで1.06台半ばまで瞬間的に上昇している。特段のユーロ買いの材料はなく、薄い板の中でまとまったオーダーが入ったものと思われる。その後は伸び悩む動きを見せているものの、NY時間にかけて1.05台はしっかりと維持している。
きょうは朝方、12月のシカゴPMIが発表されていた。結果は54.6と予想(57.0)を下回っている。トランプ氏の経済政策への期待で株式市場は大きく上昇し、前月は企業のセンチメントも大幅に改善していた。今回もその流れが続くことが期待されたが、予想ほどではなかった格好となっている。前月好調だった受注が鈍化したほか、生産も低下している。ただ、景気判断の分岐点である50を上回る水準が7ヵ月続いており、ネガティブな雰囲気まではない。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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