【ロンドン市場】序盤にドル売り広がるも、中盤には買い戻される

 5日のロンドン市場では、序盤にドル売りが広がったが、中盤には買い戻された。米ADP雇用統計やISM非製造業景況指数などの発表を控えて米債利回りが方向性に欠ける動きとなっていた。

 序盤のドル売りはドル円が主導した。116円台半ばから116円を割り込むと一時115.58レベルまで下値を広げた。東京市場でもドル円は117円台前半から116円台前半まで下げたが、ロンドン序盤もこのときと同様に米債利回りの低下に反応していた。米10年債利回りは一時2.40%割れまで低下。また、中国人民元がオフショア市場で急伸したことが、ドル安に波及したとの見方もあったようだ。ドル売りの動きはその他主要通貨にも波及し、ロンドン序盤にユーロドルは1.0575近辺、ポンドドルは1.2363近辺、豪ドル/ドルは0.7330近辺まで高値を伸ばした。

 欧州株は序盤に売りが先行したが、次第に下げ渋り。前日に終値が最高値を更新した英FT指数はこの日も引き続き最高値付近で底堅く推移している。また、NY原油先物が53ドル台前半での揉み合いから53ドル台後半へと上放れている。ドル相場が敏感に反応する米10年債利回りも次第に上昇し、ロンドン中盤には2.45%近辺と前日比プラスに転じるまで上昇した。ドル相場も買い戻しの動きに転じる。

 ドル円は116円台を回復し、116.80近辺まで反発。ユーロドルは1.0480近辺まで反落し、東京市場からの上昇を消した。ポンドドルは1.2270近辺まで反落、この日の安値を更新している。ユーロポンドは0.85台での上下動となっており、方向性は定まらない。クロス円はドル円に連れた面が強く、ユーロ円は122円台後半から122円台前半で、ポンド円は143円台半ばから142円台半ばで、豪ドル円は85円台前半から84.50付近までの往来相場。序盤に売りが強まったものの、中盤にはほぼ下げを消している。

 この日発表された英欧の経済指標は比較的良好な結果だった。12月の英非製造業PMIは56.2と前回の55.2から上振れ。54.7の市場予想からは意外な強さを示した。11月ユーロ圏生産者物価指数は、前月比+0.3%と予想と一致も、前回の+0.8%からは伸びが鈍化。一方、前年比は+0.1%となり前回の-0.4%からプラスに転じた。今週発表された欧州の物価指標はいずれも上昇傾向を示していた。独エコノミストからは、ECBに利上げを求める声もでていた。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です