きょうのNY為替市場でドル円は110円台に値を落としている。この日発表になった3月のISM製造業景気指数は前回から低下したものの予想の範囲内ではあった。週末に米雇用統計を控え雇用指数を注目している向きも多いと思われるが、2011年6月以来の高水準となっており、週末の米雇用統計に期待感を抱かせる内容となっている。
底堅い内容とは思われるが、為替市場の反応はドル売り。先週は期末に向けてドル買い戻しの動きが優勢となっていたが、期末を通過しその動きも一服といったところのようで、ファンダメンタルズよりはフローへの反応が大きくなっているのかもしれない。
日本の年度末の中、先週のドル円は買い戻しが優勢となっていた。一時112.20付近まで上昇したが、その後は伸び悩む動きが見られている。112.20付近は3月の下げのフィボナッチ38.2%戻しの水準にあたるが、その水準で跳ね返された格好となる。
第1関門の38.2%戻しを抜けず、きょうの動きを見た限りにおいては、年初からの下向きトレンドは依然として継続しているものと思われ、心理的節目の110円を目指しそうな雰囲気ではある。
一方、ユーロドルは方向感のない展開。先週は戻り売りが続き4日続落となった。市場はECBの出口戦略への期待を高めているようだが、ECB理事からはその期待を打ち消す発言が相次いでおり、3月のユーロ高への懸念も示されていた。それらを反映してユーロはリバウンドの動きを一服させており、ユーロドルは200日線に上値を跳ね返された格好となっている。きょうは下げを一服させているが、戻りを試す気配までは見られず次を探る展開となっている。
ロンドン時間にユーロ圏の2月の失業率が発表になっいたが、9.5%と2009年以来の低水準まで回復している。ユーロ圏のファンメンタルズの改善から、市場の出口戦略への期待は頷けるところではあるが、スペインやイタリアといった南欧の失業率は依然として2桁の高水準のままで推移しており、ECBも簡単に出口戦略に舵を切るわけにも行かないのかもしれない。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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