【ロンドン市場】ドル高と円安が継続、米早期利上げ観測とトランプ演説で

 1日のロンドン市場は、ドル高と円安の動きが継続している。昨日のNY終盤にダドリーNY連銀総裁が3月利上げに前向きな発言を行ったことで、米債利回りの上昇とともに、ドル買いが強まった。さらに、東京昼にかけて実施されたトランプ米大統領演説では減税やインフラ投資について再表明されたほか、保護主義的な話題にはほとんど触れられなかったことが市場に好感された。株高とともに円売りが広がった経緯がある。

 ロンドン市場では序盤は欧州株の大幅高を横目に、為替相場はドル円、クロス円が高止まりとなった。その中で米債利回りが再び上昇しており、ロンドン昼にかけてドルが一段高となっている。ドル円は113.87近辺へと高値を伸ばしており、NY市場にかけて114円台をうかがう動きになっている。ユーロドルは1.05台半ばからジリ安となっており、1.0525近辺へと下押し。ポンドドルは1.23台後半で揉み合っていたが、1.2350近辺を割り込むと売りが殺到、一時1.23割れ水準まで下落している。

 クロス円では豪ドル円の堅調さが目立っている。ロンドンタイムに入ってからも買いが継続、87円台乗せへと上昇している。ユーロ円は119円台後半でやや売り戻しが入ったが、再び119.95近辺まで高値を伸ばした。ポンド円は序盤に140.74近辺まで買われた後は、ポンドドルの下げとともに140円ちょうど近辺へと反落している。値動きはまちまちだが、いずれも東京市場序盤よりは円安の水準を維持している。

 この日発表された経済指標には市場は反応薄だった。ドイツとユーロ圏の製造業PMI確報値は小幅に下方改定されたが、水準自体は50超と景気拡大が継続。英製造業PMIはやや予想からの下振れが大きかったが、発表にはポンドは反応しなかった。ドイツ雇用統計では失業者数の減少が継続。フィヨン氏は仏大統領選に留まると表明。

 市場はこのあとのNY市場での米経済指標や金融当局者発言などの結果を見極めたいとのムードとなっている。ドル買いが先行するなかで、米個人所得・支出、PCEコアデフレータ、ISM製造業景況指数、建設支出などが発表される。今週末からのブラックアウト期間を前に、きょうはカプラン・ダラス連銀総裁の講演が予定されている。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)も控えている。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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