【NY市場】米CPIが予想下回りドル売り優勢に ドル円も下落

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。この日発表の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで戻り売りが優勢となった格好。

 4月の米CPIは中古自動車や航空運賃の低下が響き予想を下回った。インフレがFRBの目標である2%を著しく上回って加速する可能性までは今回のCPIは示さなかったが、2%の水準は維持しており、少なくとも6月利上げ期待を後退させる内容ではない。利上げについては年内あと2回か3回かで意見が分かれているが、きょうの米CPIからは2回が有力といったところのようだ。 

 ドル円は一時109.30円近辺まで下落。その後は下げ渋る動きも見られているが、上値追いの動きまでは見せていない。ロンドン時間にドル円は110円台に瞬間的に上昇する場面が見られた。ただ、戻り待ちの売りが活発に入り、直ぐに押し戻されている。やはりまだ110円台は簡単ではない印象。一方で下値も限定的で109円台は維持されている。そのような状況下、109円台半ばが居心地の良い水準になっているのかもしれない。

 ユーロドルは1.19ドル台を回復。米CPIを受け1.1950ドル付近まで上昇したものの、滞空時間は短く急速に戻り売りに押される場面も見られた。

 下げは一服しているものの、ECB内に慎重姿勢が強まっている中、積極的には買い戻しを入れにくい雰囲気が依然として強い印象。ロング勢のフォローもなく、米CPI後の上げは短期筋のショートカバーの範囲に留まっているとの指摘も聞かれ、1.1950ドル付近に接近すると、戻り待ちの売りも多く観測されている。

 ポンドは売りが優勢となっており、ポンド円は一時147.50円付近まで下落した。きょうの英中銀金融政策委員会(MPC)と四半期インフレ報告を受けてポンドは売りが強まった。MPCは大方の予想通りに政策金利は据え置かれたが、マカファティ、ソーンダース委員が利上げを主張するなど将来の利上げ期待は残す内容となっている。

 しかし、市場はインフレ報告にネガティブな印象を強めていたようだ。成長、インフレとも見通しが下方修正されていた。下方修正はある程度想定内ではあったものの、2018年の成長が従来の1.8%から1.4%、インフレは2.7%から2.4%に下方修正している。下方修正の幅が予想以上だったことがネガティブ・サプライズとなった模様。

 ただ、カーニー英中銀総裁はBBCとのインタビューで年内の利上げの可能性に言及している。短期金融市場では8月利上げの確率を47%で織り込む動きとなっており、前日よりは下げており50%下回ってきている。しかし、可能性は十分あると見ている数字でもあり、第2四半期の英指標次第といったところだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

Source: klug

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