【NY市場】米CPIとFOMC受けドル売り強まる ドル円は112.50円付近に下落

 きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は112.50円付近まで下落している。この日の米消費者物価指数(CPI)とFOMCがドル売りを再開させている。CPIのコア指数は前年比で1.7%と前回から鈍化し、予想(1.8%)も下回った。インフレがまだ、FRBの目標に向かっていない状況が示された格好となっている。

 一方FOMCは、政策金利こそ大方の予想通りに0.25%の利上げを実施してきたものの、それ自体は既に織り込みで反応はない。注目はFOMCメンバーの金利見通しだったが、こちらは9月時点と変わらずの年3回であった。一方、成長見通しは上方修正され、2018年は2.5%成長と9月時点の2.1%から上方修正している。ただ、インフレには慎重さが見られ、来年の見通しは9月時点から変化してない。コアPCEで1.9%を見込んでいる。

 全体的にはほぼ想定どおりではあったであろう。しかし、改めてインフレに対する慎重な見方に市場はドル売りで反応したようだ。

 きょうは米税制改革法案で上下両院共和党が暫定合意したと伝わった。所得税の最高税率が37%、法人税率は21%とする方向で、遺産税については完全廃止せず、住宅ローン控除の借入上限については75万ドルと上下両院の折中案が示されている。トランプ大統領はこれについて歓迎の意向を示しており、クリスマス前までには大統領の机の上に法案が置かれそうな情勢だ。

 ドル円は米CPI発表後から売りが強まり112円台に下落。FOMC後の終盤には下げ足を早め、112.50円付近まで下落した。目先の下値サポートは21日線が112.35円付近に来ており意識される。

 一方、ユーロドルは買い戻しが強まった。前半は依然として上値が重く、今年積み上げたロングポジションの整理がまだ続いている様子もうかがわせていた。しかし、FOMCの結果を受けて買い戻しが強まり、1.1825ドル付近まで上昇。ユーロ円はドル円とユーロドルには挟まれ、133円ちょうど付近での売買交錯に終始した。

 ポンドドルも買戻しが膨らみ1.34ドル台を回復。なお、英議会はEU離脱の最終合意に議会採決を義務づける修正案を可決した。ただ、ポンドはやや下落する場面こそ見られたものの、FOMC後の動きにかき消されている。ポンド円はドル円とポンドドルには挟まれ、151円ちょうど付近で売買交錯となった。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です