【NY市場】北朝鮮への懸念一服 ドル円は一時109円台後半に戻す

 きょうのNY為替市場はドル買戻しが優勢となった。米経済指標の発表も無い中、先週、警戒感が強まっていた北朝鮮問題への懸念がきょうは一服。ティラーソン米国務長官やマティス国防長官のコメントが懸念を緩めていたようだ。

 軍事オプションを残しつつも、外交的解決を優先模索する姿勢を強調している。軍事オプションはあくまで外交努力が失敗したときの選択肢としている。故意に対応に緩急をつけているのか、トランプ大統領は強硬な発言を行っているが、両長官は柔和的だ。

 ドル円は109円台後半に上昇。一時伸び悩む場面も見られたものの、午後になってダドリーNY連銀総裁の発言が伝わり、「経済が予想通りに展開すれば年内もう一度の利上げを支持する」と述べ、ドル円も買い戻されている。ただ、東京勢もお盆休みの中、110円には慎重で109.80付近で上値を止められている。110円にかけては売りオーダーも観測されていたようだ。

 一方、ユーロドルは売りが優勢となっており、1.17台に下落している。ストップを巻き込んで一時1.1770近辺まで下落。目先の下値サポートは1.1750が意識され、その下には21日線が本日、1.1720付近に来ていた。

 ポンドも軟調な値動き。ポンドドルは1.30を再び割り込んでいる。ポンド円も上値が重く、ロンドン時間には142.70近辺まで上昇していたが、200日線が控える142円ちょうど付近で売買が交錯した。

 ポンドに関しては今月の英中銀金融政策委員会(MPC)以降、利上げ期待が後退している。更なる下値警戒感もある中、今週は重要指標が目白押しろなっており注目される。明日は英消費者物価(CPI)など一連のインフレ指標が発表される予定。足元の実体経済のほか、EU離脱交渉の行方など政治的リスクもある中、不安感は払拭できない。ポンドはネガティブな数字には反応しやすい地合いではある。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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