【ロンドン市場】ドル買い優勢、前日のドル安相場への調整入る

 27日のロンドン市場は、全般にドル買いが優勢。前日の米FOMC声明でインフレについて慎重な見方が示されたことを背景に、為替市場ではドル売りが強まった。その後の東京市場でもドル安水準を伸ばす動きがみられていた。ただ、東京午後からロンドン市場にかけてはドル安に調整の動きが入っている。

 ドル円は、東京昼過ぎに110.78レベルまで下落したあとはジリ高の動き。ロンドン序盤にかけては111円台を回復し、その後111.44レベルまで高値を伸ばした。欧州株がおおむね小高く推移するなかで、ドル買いとともに円売りの側面もあり、ユーロ円は一時130.59近辺、ポンド円は146.54近辺に本日の高値を更新した。円相場にとっては、日本の政局不安が影響した可能性も。東京午後の蓮舫民進党代表の辞任に続いて、ロンドン時間には稲田防衛相が辞任の意向固めるとの報道があった。

 ユーロドルは軟調。東京昼過ぎに1.1777レベルまで高値を伸ばした後は売りに押される展開が続いている。ロンドン市場では1.17台前半での取引のなかで1.1702レベルと大台割れ目前まで売られている。欧州株式市場では、世界的な輸出株を有する独DAX指数が軟調。急ピッチなユーロ高・ドル安が警戒されていた。

 ポンドドルは高止まり。1.31台前半から半ばでの取引。東京昼過ぎとロンドン中盤に1.3150超え水準まで上昇。下値は1.31台前半でサポートされている。ユーロと比較すると底堅い値動きになっている。ユーロポンドは0.89台半ばから0.89ちょうど近辺へと下落。

 ユーロスイスが一時1.1247レベルまで上昇、1.12の大台に乗せている。2015年1月15日のスイス中銀がユーロスイスの制限を撤廃して以来の高水準となっている。この日は特段の材料はでていないが、市場では出口を模索するECBに対して、スイス中銀は緩和姿勢を継続するとの見方が広がっている。

 7月の英CBI小売調査指数は22に上昇した。前回12、事前予想10などを大きく上回った。今年4月以来の高水準。高インフレ、鈍い賃金上昇などを背景に英消費者の家計が圧迫されているとみられているが、今回の数字はやや安心感を取り戻す結果だったようだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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