【NY市場】ドル円は一時113円台に下落 115円の抵抗強く利益確定売り

 きょうのNY為替市場は後半になってドル売りが強まり、ドル円は一時113円台に下落する場面も見られた。朝方発表された米小売売上高と消費者物価が伴に予想を上回ったことでドル買いが強まり、ドル円も一時114.95付近まで上昇。心理的節目の115円を試す動きも見られていたが、115円付近の上値抵抗も強く急速に押し戻されている。

 特段の材料は見当たらなかったが、前日のイエレンFRB議長の議会証言を受けてドルは急上昇したことから短期筋の利益確定売りが強まったようだ。

 ドル円については明日、115.00のオプションの期日到来が大量に観測されており、4ヤード(40億ドル)近くに及ぶ。オプション絡みの動きも115円付近では出ていたのかもしれない。

 ただ、この日もイエレン議長の議会証言が行われていたが、米利上げ期待が高まっており、更にトランプ大統領の経済政策への期待から、ドル円は上向きのモメンタムを高め始めているようだ。113円台では押し目買いも入り、直ぐに114円台に戻している。

 一方、ユーロドルは朝方の米指標を受けて一時、1.0520付近まで下落したものの、後半になって1.06台まで戻している。ロンドン時間からの下げを解消する動き。

 しかし、ユーロに関しては政治リスクへの懸念が台頭しており、トランプ相場が本格的に再開するようであれば、パリティ(1.00)を目指す展開になるとの見方は根強い。

 きょうもイエレン議長の下院での議会証言が行われていたが、前日同様に利上げに前向きな発言のほか、バランスシート縮小の議論についても言及していた。そのほか、移民は労働市場の重要な源で、急激な変化は潜在成長に影響するとも述べている。雇用についてはある意味、十分との認識も示していた。更に、ドル高は利上げ期待を反映しており、国境税の貿易や為替への影響はかなり不透明と、トランプ大統領の保護主義への懸念を指摘していた。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です