ウクライナは貨幣の価値について説明の要らない国の一つだ。
この旧ソ連に属する国の東部で起きた戦争によって同国の景気が後退したことにより、ウクライナの通貨であるフリヴニャは過去2年間でおよそ70%の価値を失った。おそらく、これがウクライナでビットコインの人気が高まった理由であり、9月23日にキエフで開催されたBlockchain & Bitcoin Conferenceが多くの聴衆を惹き付けた理由だろう。
ビットコインは一つの選択肢
CubitsのCOOであるMax Krupyshev氏は、母国語であるウクライナ語でビットコインの基礎知識について説明した。
Krupyshev氏は、ウクライナの人々がビットコインやブロックチェーン等に対して、現在の経済状況に対する一つの選択肢と見ていると考えている。
「ウクライナは経済的に厳しい状況に陥っている。多くの人々はビットコインをそのような状況から抜け出すための手段であり、インフレ対策になるかもしれないと考えている。さらにはお金を隠したり、海外に送金したり、投資や就業の機会にもなると考えているかもしれない。
Blockchain & Bitcoin Conference
キエフで開催されたBlockchain & Bitcoin Conferenceは2016年に東欧で開催された4つのカンファレンスの一つである。主催者であるSmile Expoはプラハ、サンクトペテルブルグ、そしてモスクワで開催されたカンファレンスも担当しており、モスクワでの次回のイベントは11月10日に開催される。
先週の金曜に行われたカンファレンスはキエフにおける3回目のカンファレンスだ。東ヨーロッパでもビットコインやブロックチェーン技術に対する関心は高まっている。
このカンファレンスのコーディネーターであるPavel Likhomanov氏は「ビットコイン、ブロックチェーン、そしてフィンテックは東欧において注目されており、特にウクライナにおいて顕著である。今回のカンファレンスでも関心の高まりを感じることができた。昨年はおよそ400人だった参加者が今年はほぼ600人に近い人数となっている。」と語っている。
キエフで開催されたこのカンファレンスは現地の人々をターゲットとしており、ほとんどのスピーカーはウクライナ語で講演を行った。英語の講演はほとんど無かったが、当時通訳がついていた。
テーマは多岐に渡り、イーサリアムの合意形成メカニズムや投資ポートフォリオにおけるビットコインのポジション、そしてコールドストレージの重要性などがあった。
Likhomanov氏は様々な目的で参加する来場する人に合わせて、ビジネス、テクノロジー、初心者の3つに会場を分けてそれぞれ興味のある講演が聞けるようにしたと説明している。
ウクライナの活躍
ビットコインの分野で活躍するウクライナの企業や人がいる一方でこのことはあまり知られていない。
現在はイギリスの法人となっているが、マイニングプールとして業界を牽引したGhash.IOとその親会社であるCEX.IOもウクライナから始まった企業だ。
そしてKrupyshev氏はUkrainian Bitcoin Foundationの創設者でありながら、一年ほど前にベルリンに移りCubitsに勤めている。かれはこのようなトレンドがあることについても言及する。
「ウクライナ人は賢い。コーディングスキルをもった才能ある開発者や素晴らしいアイディアを持った企業家がたくさんいる。」と彼は言う。「しかし残念なことにウクライナのベンチャーキャピタリストは依然として古い世界に生きている。Twitterが10億USDの価値を付けられる一方で、投資家たちは形のある製品を好んでいる。これはおかしなことだ。それに加えて、法律的な環境も良くない。ビットコインは違法ではないが、必ずしも合法だとは言えない。誰にもわからないのだ。この不確実性と投資の不足によってウクライナの開発者たちは国外企業に流れている。」
実際、キエフのカンファレンスにおけるウクライナ人のスピーカーはビットコインおよびブロックチェーン業界における有名企業に勤めている。例えば、Ambisafe、ether.camp、そしてBitmain Warrantyなどだ。
「ウクライナの人々はこの業界に足跡を残しており、多くの人々もそれに気づいていると思う。」とKrupyshev氏は言う。「しかし、本当の活動は隠されており、外国企業で働いている。よく見てみれば多くのウクライナ人開発者や経営幹部が外国で働いていることに気づくだろう。」
カンファレンス:ウクライナでもビットコインが選択肢の一つにはCoinPortalで公開された投稿です。
Source: Coin Portal
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