きょうのNY為替市場、トランプ相場も一服する中、ドル買いの動きも一服。今週は30日にロシアなど非OPEC国も参加するOPEC総会が予定されており、週内の重要イベントの一つである。ただ、意見が依然としてまとまっておらず、減産か増産凍結かで分かれているようだ。市場は減産を期待して原油も上昇していたが、ロシアが主張する増産凍結ならばネガティブサプライズとなろう。きょうは事務方の事前協議が予定されていたが中止となった。
また、日曜日にはイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票が予定されており、否決ならばレンツィ首相は退陣を表明している。円高リスクも想定される中、トランプ氏勝利以降、積み上げて来たロング・ポジションを調整しようという動きも出ていたようだ。
しかし、来年の米経済やインフレ、そして、米利上げへの期待が根強い中、下値での押し目買い意欲も根強い。ドル円は東京時間に111.35付近まで下落していたが、NY時間に入ると112円台後半まで戻す場面も見られている。111円台前半に来ている10日線の水準はきっちり維持されており、いまのところは上向きの流れに変化はない。
ユーロドルは上に往って来いの展開。東京時間にはドル円の下落が先導する形でドル売りが優勢となり、ユーロドルも1.06台後半まで上昇していた。ただ、ユーロの上値は重い。日曜日のイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票が警戒され、否決ならばレンツィ首相は退陣を表明している。一部には大敗でない限り辞任はしない可能性も指摘されているようだが、不透明感は根強い模様。
更に来週のECB理事会での資産購入プログラムの期限延長への期待が根強い。6ヵ月の延長が見込まれているようだ。先ほど、ドラギECB総裁の議会証言が伝わっていたが、ECBは緩和姿勢を継続する姿勢を再度言及しており、期限延長の可能性は高そうだ。
足元の経済指標は悪くはないが、来年の仏大統領選やドイツ総選挙など政治リスクを考慮すれば、ユーロを買う材料はいまのところ見当たらない。
ポンドも軟調。月末に向けた実需売りなども観測され、このところのポンドの見直し買いも一服している。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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