【NY市場】予想外の3回利上げ予想にドル高加速 ドル円は117円台に急伸

 きょうのNY為替市場、この日のFOMCの結果を受けてドル高が加速している。FOMCでは0.25%の利上げが実施されたが、それ自体は既に織り込み済みで焦点はFOMCメンバーによる来年以降の金利見通し(ドット・チャート)だった。そのドット・チャートの2017年の見通しは3回の利上げがメンバーの予想の中央値となっており、9月FOMCの2回から上方修正している。市場では2回か3回との見方が多かったが、その中でも2回で変わらずが多かっただけにサプライズとなった模様。

 ただ、その後のイエレン議長の会見は慎重姿勢も滲ませている。経済の先行きはかなり不透明とし、緩やかな利上げのみ正当化されるとした。また、インフレ期待も抑制されているとしている。更にドット・チャートが上方修正されたことに関して、9月と12月の見通しは類似しており、小幅な調整に留まっているとし、一部のメンバーが財政政策の変化を考慮に入れた可能性も指摘した。トランプ氏は大型減税やインフラ整備など財政拡大策を提言しており、市場の期待も高まっているが、財政負担もあり完全雇用には明らかに不必要との見解を示している。一方で税制改正や財政刺激策が拡大されれば、低い生産性を押し上げる可能性も指摘していた。

 しかし、ドル買いの勢いは止まらずドル円は117円台に急伸している。116.50付近に強いレジスタスがあり押し戻される場面もあったが、116円台をしっかりと維持した後、116.50水準を突破して上げを加速させた。ストップを巻き込んで117.40付近まで上昇。

 レジスタンスらしいレジスタンスも無く、年末にかけて120円を視野に入れる可能性も出てきた。

 一方、ユーロドルは戻り売りが強まり、再び強いサポートとなっていた1.05割れを試す動きが見られている。ポンドドルは1.2540近辺に失速。FOMC前は1.27台まで買い戻されていた。

 米株はダウ平均が2万円手前で失速したが、ドル円上昇による円安でクロス円は上昇。ユーロ円は123円台に上昇し、ポンド円も一時147台に上昇した。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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