【NY市場】ジャクソンホール待ちの中、日替わり相場が続く

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となっており、ドル円も買い戻しが優勢となった。前日はドル売りが強まり108円台に再び下落していたが、きょうはその逆の展開。全体的にはジャクソンホール待ちの雰囲気が強く日替わり相場の展開が続いている。108円台に入れば買いが入り、110円台に接近すると売り圧力が強まる状況に変化はない。

 日本時間の23時に7月の米中古住宅販売件数が発表になっていたが、予想を下回る内容となっていた。前日の新築と並んで7月分の住宅指標は弱い内容となっている。ただ、特に住宅市場の先行きに懸念を強める気配まではなく無難な通過となった。

 ドル円は109.50から上を試しに行く動きとなったが、売りオーダーも観測されており、109.80付近と110円付近にはオプション絡みの売りオーダーも並んでいる模様。明日のNYカットで110円のオプションの期日到来が観測されている。

 一方、ユーロドルは1.18ドルちょうど付近で振幅。きょうは利益確定売りが優勢となった。ただ、1.17台後半に来ている21日線の上はしっかりと維持されており底堅さは堅持している。

 市場は明日のジャクソンホールでのドラギECB総裁の講演に注目している。直近のユーロ高を警戒して出口戦略を強調することはないとの見方が市場では優勢になりつつある。更にユーロ高が続くようだと、インフレ鈍化懸念が強まり、ECBは市場の期待よりも緩やかな出口戦略を取らざるを得なくなるとの見方も出ているようだ。ユーロドルで1.20台が視野に入る中、ECBも神経質になっているものと見られる。

 ドラギ総裁の講演をきっかけに高水準で積み上がっているユーロロングの調整が強まると見ている向きもいるようだ。その可能性は否定できないが、米インフレ鈍化やトランプ政権への不透明感も根強い中、ドルに信頼感もなく、ユーロの調整売りが強まったとしても一時的な動きに留まりトレンドにはならないとの見方も少なくないようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

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