きょうのNY為替市場でドル円は112円台で推移した。きょうは円高が強まりドル円は一時112.60近辺まで急速に下落している。トランプ大統領の経済政策への期待から高値更新が続いていた株式市場も、ここに来て高値警戒感が出始めており、リスク回避の円買いが強まったようだ。また、本邦勢の決算期末に向けた売りも観測されている。今週のイエレンFRB議長の議会証言で、ドル円のモメンタムは高まったが、115円を達成できずに失速したことは大きかったようだ。
きょうの下げで21日線を再び下回っており、下向きの流れに戻ってしまうか警戒されるところではある。しかし、きょうはドル自体が売られたわけではなく、ドル指数は反発している。また、高値警戒感が出ている米株も、ダウ平均は下げておらず、その点ではまだ期待が持てそうな気配もある。
週末の米国はブレジデンツ・デーで3連休となるが、連休明けの注目点は、トランプ大統領の税制改革やインフラ整備、規制緩和などの具体策が出てくるか注目となる。トランプ米大統領は2月28日の米議会上下両院合同本会議で、例年の一般教書演説にあたる政権運営の大枠を示す議会演説を行う。来週はそれに向けての動きが注目されそうだ。
一方、ユーロドルは戻り売りが強まり、ロンドン時間の1.06台後半から1.06ちょうど付近まで下落している。きょうの市場は調整の雰囲気が強まっているが、ドルが底堅い動きを続けており、ユーロドルを圧迫。週後半にかけてユーロドルは1.05台前半から急速に戻していたが、21日線が控える1.07付近には届いていない。やはり、政治リスクがユーロの上値を重くしているようだ。
それ関しては、フランス大統領選が目先の大きなリスクとして意識されている。きょうは左派政党が中道派をけん制するために選挙協力するのではとの観測が流れていた。社会党のアモン候補がメディアに出演し、左翼党と選挙協力ができるか、メランション共同党首と協議を始めたという。
もしこの協力体制が確立すれば、中道派の票を圧迫する可能性もあり、そうなるとEU離脱を主張している極右国民戦線のルペン党首に有利に働くとの見方も出ていた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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