きょうのNY為替市場、明日のFOMCの結果発表を前に模様眺め気分も強い中、ドルは序盤は買い買い戻しが優勢になったものの、午後に入って急速にドル売りが強まっている。
FOMCではバランスシートの縮小開始が有力視されているが、これについては既に織り込んでいる。注目は年内利上げについての何らかのヒントが出るかどうかだろう。先週の米消費者物価指数(CPI)が久々に予想を上回る内容となったことから、ここに来て市場は年内の利上げ期待を復活させている。現在は半々といったところ。
もしかすると、FOMCはドルをサポートするような結果になるのではとの期待も出ているが、この先、ハリケーンの影響が指標などに出てくることが予想され、北朝鮮問題も常にそこにあるリスクではある。イエレン議長としてはもう一段の証拠が欲しいところでもあり、明確なヒントは示して来ない可能性のほうが高いようにも思われる。
一方で、今回はFOMCメンバーの金利見通しが発表されるが、6月時点の予想中央値は年内利上げを織り込む予想であった。下方修正するメンバーは何人かいるであろうが、中央値がそのまま年内利上げの可能性をを示すかどうか注目される。
ドル円は朝方、111円台前半に下落していたものの、中盤にかけて買い戻しが強まり111.80近辺まで上昇。FOMCは警戒されるものの米国債利回りは上昇しており、米株も最高値更新が続いている。
100日線が111円台前半に来ているが、その水準は堅持しており、21日線も上向きに転じていることから、リバウンド相場への期待感を高めている。しかし、午後になってドル売りが強まると111円台半ばまで急速に伸び悩む展開となっている。
ハリケーンや北朝鮮問題がひとまず落ち着きを示しており、市場のリスク許容度も改善している。そなると各国中銀と日銀との金融政策のギャップに焦点があたり、円安という方程式だが、明日のFOMCを前にポジション調整も出ているようだ。
一方、ユーロドルは朝方は戻り売りに押されていたものの、午後に入ると買戻しが強まり1.20台を再び回復している。ただ、1.20台での戻り売り圧力も根強い。
一部報道ではECB理事の間でユーロ高への警戒感が根強く、来年以降も当面、縮小して継続が見込まれる資産購入に、期限を設けない案も出ているとの報道も伝わっていた。ECB内でも、出口戦略に舵を切る意志は強いものの、現状のユーロ高には神経質になっている様子もうかがえる。
市場の一部からは、10月のECB理事会での出口戦略のアナウンスも重要だが、ユーロ相場にとっては、現行のユーロ高への評価もそれ以上に重要との指摘も聞かれる。
金利差に対するユーロ高の感度は過去最高水準に達しており、それ故にもし、10月の発表と同時に、ECBの政策への市場の関心が薄まるようであれば、ユーロ高のスピードに調整が出る可能性も否定できないとの見方もあるようだ。ただ、ユーロ高の方向は変わらないとしている。
ポンドは戻り売りが優勢。先週の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けてポンドは急伸している。ただ、さすがに過熱感は否めず、ポンドドルもポンド円も過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは買われ過ぎの70を超えている。いつ調整が入ってもおかしくはない状況にはある。ポンドドルは再び1.34台に下落する場面も見られた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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