【NY市場】FOMCを挟んで上下動 ヒントが無かったことに一部不満も

 きょうのNY為市場、序盤はドル買いが優勢となったものの、この日のFOMCを挟んで、次第にドルは戻り売りが優勢になった。序盤のドル高に関しては、ADP雇用統計やISM指数など経済指標が強い内容だったことがドル買いを誘発している。また、この日のFOMCに対する期待感もあったのかもしれない。

 ただ、米株の上値が重かったことかや、この日のFOMCを通過して終盤は徐々にドル売りの動きも見られた。FOMCについては声明のみが材料だったが、直近の消費者信頼感指数や企業の景況感指数が上昇していることから「消費者と企業のセンチメントは最近改善」との文言が加わっている。トランプ大統領の経済対策への期待を反映したものであろう。ただ一方で、設備投資が弱いとの言及は依然として残すなど慎重姿勢も見られている。ただ、全体的な印象は概ねトーンに変化はなかったといったところではある。

 しかし、年内利上げの回数や時期など、何らかの具体的なヒントを期待していた向きには不満だったようで、徐々にドル売りの反応に繋がっている。ただ、売り込むような動きはなく、レベル感に概ね変化はない。

 ドル円は序盤に買いが強まり、一時114円手前まで上昇。前日はトランプ大統領の発言などで112円台前半まで下落していたが、きょうは買戻しが優勢になった。しかし、後半には一時112円台に下落するなど上値は重い。年初からの下降トレンドは依然として続いている状況だ。

 一方、ユーロドルは序盤に1.07台前半まで下落したものの、終盤になって、1.07台後半まで下げを取り戻している。きょうは1月のユーロ圏製造業PMI確報値が発表になっていたが、55.2と速報値(55.1)から若干上方修正され、前回(54.9)からも上昇した。5年9ヵ月ぶりの高水準に上昇している。上昇の背景としてユーロ安による輸出の拡大が指摘されており、雇用も物価も上向きのペースが拡大した。

 前日はトランプ政権の幹部からユーロは過小評価され過ぎとの苦言が出て、ユーロの買い戻しを強めていた。ユーロ圏の一部のエコノミストからはその見解に批判の声も出ていたが、きょうのPMIを見た限りでは、トランプ政権から、そのような不満が出てもおかしくはないのかもしれない。

 なお、スパイサー米大統領報道官は、ユーロの価値に関する質問に対し、通貨の価値についてはムニューチン氏の財務長官起用が承認され次第、同氏が対応可能だと答えていた。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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