【ロンドン市場】円買い優勢、株安や英政局不安で

 12日のロンドン市場は、円買いが優勢になっている。先週末の米ナスダック指数が大幅安となったことで、週明けの各国株式市場でもハイテク株などが下落している。欧州株式市場でも、ソフト関連株が大幅安となり、独DAX指数は一時1%超安となった。加えて、先週の英総選挙で保守党が過半数を確保できず、連立交渉などでまだ合意できていないとの報道も不透明感を広げている。

 ドル円は先週末の米株安で110円台後半から前半へと下落した。週明けのロンドン市場では、110.20-30レベルでの揉み合いを下抜けると一時109.88レベルまで下値を広げている。その後の戻りも110円挟みの水準までと限定的。

 ポンドが軟調。米格付け会社ムーディーズは、先週の英総選挙の結果を受けて、EU離脱交渉が遅れること懸念、とした。さらに、財政赤字縮小の優先順位が下がることも、格付けにはマイナス材料。一方、ハードブレグジットが緩和されるとの見方は、ポジティブだという。東京早朝の保守党とDUPとの連立合意はまだできていない、との報道など、今後の英政局への不透明感が広がっている。ポンドドルは1.27台後半から1.2682レベルまで、ポンド円は123円台後半から123.23レベルまで下落した。

 ユーロ相場は比較的堅調。週末の仏下院選でマクロン新党が大勝したことが好材料。米格付け会社S&Pは、フランス下院選挙でのマクロン新党の勝利で、ユーロ圏の成長見通しが上昇修正される可能性がある、としている。ユーロドルは1.12台前半での揉み合いの中で、一時1.1228レベルまで高値を伸ばした。ユーロ円は序盤に123.70台まで買われたが、その後はドル円の下落とともに123.23レベルまで下押し。一方、ユーロポンドは0.88台乗せから0.8845近辺へと上昇した。

 NY原油先物が時間外取引で、45ドル台後半に下落したあと、46ドル台半ばへと急反発しているが、豪ドルやカナダドルなど資源国通貨は目立った反応を示していない。対ドルでは堅調も、対円では小安く、方向性に欠けている。全般に明日から始まる米FOMC待ちのムードもあるようだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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