【NY市場】弱い指標受けドルは戻り売り ドル円は110円台に

 きょうのNY為替市場はドル売りの動きが優勢となり、ドル円は21日線と200日線が控える110.65付近まで一時下落している。今週のFOMCを通過して為替市場はドルの買い戻しを強めていた。FRBは足元の弱い指標やインフレ鈍化傾向にもかかわらず、正常化の方針に変更はないことが強調され、タカ派姿勢が示されていた。

 FOMC後、ドル円も一気に買い戻しが強まり、きょうは111.40近辺まで上昇する場面も見られていた。ドル円に関しては日銀決定会合後の黒田総裁の会見で「出口戦略を議論する状況に至っていない」と否定的な見解を述べていたこともドル円の買い戻しをサポートしていたようだ。

 ただ市場には、米景気の先行きに対する不透明感が台頭してきており、朝方発表されていた米住宅指標や消費関連指標が予想を下回ったことをきっかけに再びドル売りを強めた。

 しかし、市場にはFOMCを通過してドル売り一服感も出ており、下押す動きまでは見られず、ドル円は110円台後半で下げ止まっている。

 一方、ユーロドルは買戻しが優勢となっており1.12ドルちょうど付近まで戻している。前日はFOMCを通過しドル買い戻しが強まったことから、ユーロドルも利益確定売りが強まっていた。しかし、目先の強いサポートとして意識される1.11ドル台前半の水準を堅持し、上値を抑えていた1.1150ドル水準も回復したことから、きょうは買戻しが膨らんだようだ。

 FRBは正常化に向けて強気姿勢を堅持しているものの、米経済指標が相変わらず弱い内容が相次いでいることから市場は、ドル買い戻しに自信を持てないでいる。そのような中、いまのところユーロは底堅さを維持しているようだ。

 来週はユーロ圏や各国のPMIが発表される。景気回復を確認できる内容となるか注目されそうだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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