【NY市場】政策期待相場が続きドル円は107円手前まで一時上昇

 きょうのNY為替市場は前日に引続きドル買いが優勢となった。トランプ氏の経済政策への期待が相場を押し上げている。トランプ氏は大型減税やインフラ整備など財政拡大策を公約しており、それが成長やインフレ期待を高めている。いずれ公約の実現性にスポットがあたる時が来るであろうが、しばらくは政策期待相場が続きそうな気配も出ている。

 ドル円は一時107円手前まで上昇。米国債利回りも上昇しており、ドル円の買い戻しをサポート。きょうの上げで200日線を上回ってきており、本格的なリバウンド相場に入るか注目の展開となっている。明日はベテランズ・デーで祝日だが、米株式市場はオープンしており、この勢いを維持できるか注目される。

 目先は200日線の水準を維持できるか、そして、7月高値の107.50付近が次の上値メドとして意識されそうだ。108円に接近するに従って、一気に売り圧力が強まるとの観測も聞かれる。

 ユーロドルは下値模索が続いており、これまで強いサポートとなってきた1.0850水準をうかがう動きも見られた。ドル高の受け皿としてユーロに焦点があたっているようだ。

 ここにきて米国はインフレ期待が急速に高まっているが、ユーロ圏のほうは12月のECB理事会で資産購入プログラムの期限延長が打ち出されるとの見方は根強い。ECB理事の発言もその観測に否定的ではない。短期的には、昨年から強固なサポートとなっている1.05の水準を視野に入れるとの声も強まりそうだ。

 ユーロや円は売り優勢となっているものの、ポンドは逆に底堅い動きが見られ、ポンドドルは1.25台を回復し、ポンド円は133円台半ばまで上昇した。特にポンドに関するポジティブなニュースはなくむしろ、英EU離脱問題で悪いニュースが出ていないというのが材料とも言えよう。市場がリスク選好の雰囲気が強めていることで、ポンドにも買い戻しが入っているのかもしれない。ただ、あくまで自律反発の範囲ではある。

 英EU離脱関連ついては英政府が、議会の承認を得ずにEUに対してリスボン条約50条の離脱通告を行えるか裁判になっており、英裁判所は事前の議会承認が必要との判断を下していた。これに対し政府は、英最高裁に上告しており動向が注目されるところだが、英最高裁は12月の5日と8日に聴聞会を行うとしており、判断については来年としている。まずはぞの結果待ちという雰囲気ではある。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

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