きょうのNY為替市場、後半は下げ渋ったもののドルは売りが優勢となった。米税制改革法案が早ければ今週中に成立する可能性もあり期待は高い。米株式市場も最高値更新が続くなど好調な展開が続いているが、税制改革の年内成立に関しては既に十分に織り込んでいる節もありドルをサポートしていない。後半になると株高や米国債利回りの上昇が続く中、ドルは次第に下げ渋る動きとなったものの、全体的には上値の重い展開が見られた。
ドル円は序盤に112.30円近辺まで下落したものの、112円台半ばに戻す展開。ただ、概ねレンジ内での上下動に終始しており方向感はない。今週はクリスマス週で週後半にかけて市場参加者も少なくなることが予想される。そのような中、きょうのドル円はドル安・円安の動きに挟まれ身動きが取れないようだ。
今週は日銀の政策決定会合が予定されている。政策変更は無いものと見られているが、出口戦略や量的緩和の副作用に関して、黒田総裁から何らかの発言が出るか注目されている。先週のFOMCやECB理事会で各国中銀の年内の活動はほぼ終えている中、どこまで反応するかは未知数。
一方、ユーロドルは朝方こそ買い戻しが優勢となり1.18ドル台を回復した。一時1.1835ドル近辺まで上昇し、1.18ドルちょうど付近に来ている100日線、そして、1.1820ドル付近に来ている21日線を上回る場面も見られた。ただ、後半にかけ1.17ドル台に伸び悩んでいる。
ここ数日、1.18ドル台に乗せるものの維持できずに終えている。短期筋の動きが中心になっており腰の据わった買いが出ていないようだが、一方で上値への期待感も根強く、下がれば押し目買いも断続的に出る展開ではある。
市場は年末にかけてレンジ取引を見込んでいるようだが、上値期待は根強い。先週末に米商品先物取引委員会(CFTC)から発表になったIMM投機筋の建玉レポートによると、ECB理事会を通過した12日時点でユーロの買い越しが大きく積み上がっていた。ドラギECB総裁の慎重な発言もあって、ECB理事会後のユーロドルは上値の重い展開となっていたが、投機筋は下値を拾っていたのかもしれない。
ポンドは堅調。対ドルのみならず、対円やユーロなどクロスでも買い戻しが優勢となり、ポンド円は一時151円ちょうど付近まで上昇する場面も見られた。
英タイムズ紙によると与党保守党はメイ首相を次回2021年の総選挙まで続投させるムードになっていると伝えている。EU離脱交渉の第1フェーズを無事通過し、次は第2フェーズの通商交渉に移る。第1フェーズよりも難航が予想される中、メイ首相の退陣は通商交渉に悪影響をもたらすとの見方に傾いているようだ。そのような報道もポンドをサポートしているのかもしれない。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
コメントを残す