年初のNY為替市場は昨年末の流れを引継いでドル売り優勢で今年の取引が始まった。米税制改革への期待からクリスマス前まではドル高の流れもあったが、実際に税制改革が米経済を加速させるとの見方には懐疑的な見解も少なくない。また、現在の低インフレも当面続くとの見方もドルを圧迫しているものと思われる。ただ、今週は明日のFOMC議事録や、金曜日には米雇用統計の発表が控えており、まずはその内容を見極めたい雰囲気もある。
ドル円は下値模索の動きが優勢となり、一時112.10円付近まで値を落とす動きも見られた。米国債利回り、米株式市場とも上昇していたものの上値は重い。
きょうの100日線が112.05付近、200日線が111.65円付近に来ており、目先の下値サポート水準として意識される。また、12月15日の安値が112円ちょうど付近に来ている。この水準をブレイクするとダブルトップが形成されることから112円台を維持できるかはテクニカル的に意識されるところではある。
ユーロドルはNY時間に入って伸び悩んだものの、買い優勢の展開となった。ロンドン時間から買いが強まり一時1.2080ドル付近まで上昇し、9月に付けた昨年来高値1.2090ドルをうかがう動きも見せていた。
この日は12月のユーロ圏製造業PMIの確報値が発表になり力強い成長を示していた。ECBは今月から資産購入額を月300億ユーロに縮小し、9月まで継続することを宣言している。市場では少なくとも年内には量的緩和拡大の終了が見込まれており、更には利上げ期待が年内に高まるかに注目している。
足元こそECBは出口戦略に慎重姿勢を示しているが、ECB理事からはタカ派な見方も次第に増えつつある。そのような中、ユーロへの期待は今年も根強いようだ。
ポンドが強い動きとなっており、ポンドドルは1.36ドルちょうどまで上昇。9月に付けた昨年来高値1.3655ドルを目指す動きが続いている。対ドルのみならず、ユーロや円に対しても上昇しており、ポンド円は152.70円付近まで上昇。
英FT紙が、英政府がEU離脱後にTPP参加を非公式に検討しており、英国際貿易省が打診していると伝えていたことも材料視されている模様。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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