【NY市場】ドル売り強まる FBIがクリントン氏のメール問題を再調査

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。きょうの最大の注目は第3四半期の米GDP速報値であったであろう。結果は前期比年率換算で+2.9%となり予想(+2.6%)を上回っている。発表直後はドル買いの動きが強まったものの、その後は伸び悩んでいる。

 前日、前々日と今回のGDPは予想を上回るのではとの期待が高まり、為替市場も既にドル買いが強まっていた。今週発表になった9月の貿易統計(前渡商品ベース)を受けて純輸出への上振れ期待が高まり、市場関係者の一部には3%台半ばに拡大するのではとの強気な見方も出ていた。

 しかし、実際は+2.9%となったことから、予想は上回ったものの、少し物足りなかった印象だ。そのため、ドル買いの動きも限定的となったようだ。詳細を見ても個人消費の伸びは予想通り鈍化しており、やや心もとない内容ではある。

 今回のGDP速報値は12月の米利上げ期待を裏付ける内容ではあったが、来年も利上げが続くことを強く期待できるほどの内容ではなかったようだ。ただし、まだ速報段階ではある。

 それでもドルは崩れることなく底堅い推移を続けていたが、午後になって売りが加速している。FBIがクリントン氏のメール問題を再調査すると伝わり嫌気された模様。米国債利回りも下げに転じている。

 FBIのディレクターであるコメイ氏は、クリントン氏が国務長官だった時期にプライベートのメールサーバーを使って送信していたメールに機密事項が含まれているかどうか再調査すると述べた。まもなく大統領選という中、市場はクリントン氏が優勢との見方を強めておりドル高の支援となっていた。

 ドル円は一時105.50付近まで上昇していたが、メール問題の再調査のニュースが伝わると一気に売りが強まり、一時104.50付近まで下落した。

 一方、ユーロドルは買戻しが強まり、心理的節目の1.10台をうかがう展開も見られている。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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