きょうのNY為替市場でドル円は売りが加速し112円台に下落している。この日発表になった米経済指標はさほどネガティブな内容ではなかったものの、発表直後からドル円は売りが強まった。また、ドル円と伴にきょうはユーロ円やポンド円といったクロス円も下落。
今週のFOMC後から売りが強まっているが、113円台はかろうじて維持していた。しかし、上値が重く反転する気配を一向に見せなったことから、ロング勢も見切らざるを得なくなったのかもしれない。追随するように米国債利回りも下げており、米10年債利回りは2.5%を下回っている。
一時112.55付近まで下落したが、112.50水準にきょうのところは敬意を払った模様。ただ、きょうの下げで100日線を下回ってきており、目先は111.50水準が視野に入りそうな気配だ。
一方、ポンドの買戻しが続いており、ポンドドルは一時1.24台に上昇。前日の英中銀政策委員会(MPC)でフォーブス委員が0.25%の利上げを主張していたことや、そのほかの委員の中でも利上げが必要との意見が出ていたことで、買い戻しが入っているようだ。市場の一部には来年の利上げを想定する動きも復活している模様。
しかし、来週以降、メイ英首相はEU離脱を通告することや、物価高が英個人消費を圧迫している兆候も見られるなど、昨年まで意外なほど好調だったファンダメンタルズに不透明感が出てきている。今回の買戻しが続くかは未知数の部分も多い。
きょうからG20財務相・中央銀行総裁会議がドイツで開催されており、ムニューシン米財務長官のデビューとなった。為替については従来の言及を尊重することで合意しているようだが、週末にかけ長官の発言には要注意ではある。また、保護主義については土曜日にも協議が継続されるようだ。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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