【NY市場】ドル円は100日線回復し200日線に迫る

 きょうのNY為替市場はドル買い・円売りが優勢となった。ドル円はロンドンからNY時間にかけて買い戻しが強まり、112円手前まで上昇している。本日の100日線は111.65/70水準に来ているが、その水準を突破している。明日以降、112円台を回復できるか注目されそうだ。200日線も112円ちょうど付近に来ている。

 ただ、序盤はドル高というよりも、円安の動きがドル円を押し上げていたように思われる。米国債利回りが上昇しており、米株もダウ平均が一時最高値を更新したこともサポートとなっているようだ。

 米国債利回り上昇については、明日のFOMCの結果発表を前に期待感が高まっているというよりもむしろ、調整と言えよう。また、この日は欧州債をはじめ各国の国債利回りも上昇していた。この場合、最近の為替市場は円安で反応するケースが見られている。日銀と各国中銀との金融政策の温度差から、利回り格差拡大期待が円安を誘発している。ユーロ円も一時130.50付近、ポンド円も145.85近辺まで一時上昇した。

 一方、ユーロドルはNY時間に入ってすぐに買いが強まり、2015年8月以来の1.17台に一時上昇している。1.17ドルちょうど付近には1ヤード(10億ユーロ)を超える売りオーダーも観測されていたが、吸収した格好。

 しかし、これまで1.17台を上値目標にしていた向きも多く、達成感もあったのか、1.17台での滞空時間は短く、後半になると急速に戻り売りに押される展開となった。IMFがレポートでECBに対して、現在の刺激策を継続するよう主張したことも利益確定売りのきっかけとなったようだ。

 先週のECB理事会はハト派な中味ではあったが、ユーロの買いは一向に収まらない。ドルも円もポンドも買えない中、ユーロはその受け皿となっている。さすがに過熱感が強まっているものの、ユーロの上値追い意欲は根強く、下値ではまだ押し目買いが積極的に出るようだ。1.16台半ばの水準は維持されている。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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