【NY市場】ドル円は伸び悩むも111円台は堅持

 きょうのNY為替市場、ドル円は伸び悩む動きを見せており、朝方の111円台半ばから前半に値を落としている。原油下落が続いており、米国債利回りも米株も上値が重かったことから、ドル円の売りを誘発した模様。

 今週末に米債務上限の期限を向かえる中、議会での与野党の対立が続いており、ここにきて米政府機関閉鎖への懸念が再び高まっている。また、プーチン大統領が北朝鮮問題に関して、朝鮮半島の緊張は強まっていると発言したことも売りを誘っていたようだ。

 ただ、米政府機関閉鎖に関しては、野党民主党のシューマー上院院内総務が「歳出法案での合意成立が近く可能と確信」と述発言したことで、後半には懸念も一服していた。

 きょうはECB理事会があり、理事会後のドラギ総裁の会見を受けてドル円は、111.50水準の突破を試みたが失敗に終わっている。短期筋の見切り売りも出て、サポートとなっていた111.20水準を再び下回る動きも見られ、111円ちょうど付近に下げる場面も見られた。

 ただ、下値では押し目買いも出るようだ。今週に入ってロング勢のモメンタムに改善の兆しも出てきているのか、下値を新規に拾う動きも見られている。

 一方、ユーロドルは1.08ドル台で推移。ECB理事会後の会見でドラギ総裁は、景気の下振れリスクは後退しているものの、インフレの基調は依然として弱いとし、出口戦略への議論もなかったことを明らかにした。ユーロドルは一時買いが強まり1.09ドル台に上昇したものの、急速に戻り売りに押される展開となった。

 明日は1-3月期の米GDP速報値の発表が予定されている。個人消費が鈍化するとの見方から、予想は年率換算で1.0%が見込まれている。個人消費の弱い見通しに関しては、自動車販売が、特に3月に鈍化したことを考慮しているものと思われる。しかし、1-3月の小売売上高を見ると、自動車・ガソリンを除いたコア指数は底堅い動きを示している。

 完全雇用に接近するなか賃金は、緩やかではあるが上昇が続いており、1-3月の個人消費の鈍化は一時的な現象と見る向きが多い。来週はFOMCが予定されているが、FRBの利上げ及び、バランスシート縮小の方向に変化を及ぼすことは無いとも見られているようだ。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です