【NY市場】ドル円は一時114円台回復も駆け上がる勢いはなし

 きょうのNY為替市場はロンドン時間までのドル売りの動きが一服し、ドルは買い戻しが優勢となった。北朝鮮やイランのミサイル発射など地政学的リスクや、米国債利回りの上昇がドルをサポートしている。先週のイエレンFRB議長の講演から市場は、今月の利上げをほぼ確実視している。

 ただ、それ自体は織り込み済みとして次のアクション待ちの状況。金曜日に米雇用統計が発表になるが、賃金上昇が確認されるようであれば、来年にかけての利上げ期待が更に一歩進むとの見方も出ている。ただ、全体的には様子見が強い。

 今月17~18日にドイツでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されるが、その声明の草案について、保護主義に反対する直接的言及は削除される一方、オープンで公正な国際貿易システムにコミットするとの報道が流れていた。また、為替に関する文言については、従来と変化はない方向で調整しているという。

 ドル円はロンドン時間に一時113.55付近まで下落していたが、NY時間に入って買戻しが強まり、一時114.10近辺まで上昇する場面も見られた。しかし、114円台を駆け上がって行く勢いはない。先週金曜日のイエレンFRB議長の講演を受けてドル円も買い戻しが見られたものの、市場は既に織り込んでいた節もあり、115円を回復できずに失速していた。この動きに上値へのモメンタムを一旦無くしているようだ。

 ユーロ円は120円台半ばでの一進一退。上値レジスタンスは先週の高値121.15付近が意識され、下値は120円台前半に21日線などが来ている。先週の上げで21日線を上抜いており、昨年末の上昇トレンドに戻れるか注目される。

 市場では仏大統領選への警戒感が続いているが、マクロン氏の優勢が続いているようだ。仏IFOPの世論調査によると、5月の第2回目の最終投票ではマクロン氏の支持が61%、ルペン氏の支持が39%となっていた。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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