きょうのNY為替市場はドル買いが強まった。この日発表の米経済指標は予想を下回る内容が相次ぎ、ドル買いの明確な材料は見当たらなかった。ただ、最高値更新が続いている株式や、米国債利回りの上昇の割にはドルの買い戻しは鈍い印象もあり、出遅れ感からの買い戻しが出ていたのかもしれない。
ドル円は一時114円台後半まで上昇し、115円台をうかがう展開も見られている。東京時間に一時113.00付近まで下落していたものの、下値抵抗も強かったことから、一気にショートカバーが強まったようだ。明日の注目イベントは第4四半期の米GDP速報値だが、その発表を前にショートポジションを整理したかったのかもしれない。
明日の米GDP速報値については、前期比年率で+2.2%が見込まれている。第3四半期が+3.5%と予想外に高い成長となったことから、今回は少し伸びが鈍化することが見込まれているようだ。しかし、予想通りであれば、FRBが12月FOMCの経済見通しで見込んでいた2016年の1.9%成長は達成され、今年3回の利上げとの見通しに変化はないであろう。しかし、市場の一部からは予想を下振れる可能性も指摘する向きもいる。
115円台にかけては日本の輸出企業や3月末決算に向けての海外からの資金回帰(リパトリ)に伴う売り観測も指摘されている。
ユーロドルは一時1.0660近辺まで下落。ドル買いが優勢になる場面でも底堅さを堅持し、1.07台は維持していたが、きょうの下げで、そのサポートをブレイクしてきている。目先の下値サポートは21日線やフィボナッチ38.2%戻しの水準が控える1.06台前半の水準が意識されそうだ。
きょうはユーロ圏財務相会合が開催されており、各国財務相の発言も伝わっていた。トランプ米大統領が向こう1年から1年半の間にユーロは崩壊する可能性があると述べていたが、それに対してモスコビシ仏財務相はユーロの崩壊の可能性は排除したと述べていた。
なお、メキシコのペニャニエト大統領は米国でのトランプ大統領との首脳会談の欠席をホワイトハウスに通知した。トランプ大統領はメキシコが壁建設の費用を支払わないなら会談は中止が望ましいとも述べていた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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