【ロンドン市場】ドル買い優勢、米政策期待ムードが継続

 26日のロンドン市場では、ドル円が114円台に乗せるなどドル買いが優勢。前日の米株がトランプ政策への期待で大幅高となり、ダウ平均は初の2万ドル台乗せとなった。きょうもアジア株に続いて欧州株が上昇しており、リスク選好ムードが広がっている。米債利回りは今週に入ってから上昇傾向をみせており、ロンドン序盤には10年債利回りが2.55%近辺まで上昇した。ドル高と円安の圧力が並存している。

 ドル相場は買いが優勢。ユーロドルは1.07半ばを割り込むと1.0713近辺へと下押し。ポンドドルは1.26台後半まで高値を伸ばしたあとは、1.25台後半へと反落している。豪ドル/ドルは0.75台後半から前半へと下押し。クロス円の買い圧力でやや下げ渋る場面もみられている。

 ドル円は113円台後半での揉み合いから114円台に乗せると、高値を114.39近辺に伸ばしている。その後も114円台を維持しており、底堅い。先週末以来の高値水準となっている。直近の相場で112円台半ばで2回サポートされており、ショートカバーの動きがみられている。1年物のドル円リスクリバーサルで円コールオーバーが約1年ぶりの水準に縮小しており、円高への思惑が後退しているとみる向きもあった。

 クロス円も全般に円売りが優勢。ユーロ円は122円台後半、ポンド円は一時144円台乗せ、豪ドル円は86円台前半へと本日の高値を伸ばした。トランプ政策については通商政策など不安材料もあるが、米国内向けの雇用や景気テコ入れ策が米株を押し上げており、ひとまず好感するムードとなっている。

 この日発表された第4四半期の英GDPは前期比+0.6%、前年比+2.2%と前回と同水準の伸び率だった。市場予想からはそれぞれ0.1%ずつ上回った。英EU離脱の決定以降の成長は底堅さを堅持している。一方で、1月の英CBI流通調査指数は-8と事前予想+27を大きく下回った。前回12月は+35だった。マイナスに転じるのは昨年9月以来。今年に入ってからの小売動向にはややカゲリが見られている模様で、今後注意したい点ではある。 

 また、ロンドン中盤には英政府がEU離脱法案を日本時間午後9時半に提出へ、と報じられたことでEU離脱手続きが想定よりも早まるとの見方が広がっているもよう。ポンド売りの反応が強まっている。ポンドに関しては、ファンダメンタルズ以上にEU離脱関連の報道に神経質に反応する面が強いようだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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