9日のロンドン市場は、米大統領選をめぐる急激なリスク回避動向は一服している。事前の世論調査ではクリントン氏優勢が伝えられ、市場もドル買い方向にこれを織り込んでいた。しかし、東京午前からの開票が進むにつれてトランプ氏の健闘が目立った。午後にはフロリダなど激戦州を制したトランプ氏が勝利宣言、クリントン氏も敗北をみとめた。
東京タイムにはドル円が105円台から101円台前半まで急落。日経平均が一時1000円超安となるなどリスク回避の嵐が吹き荒れた。ロンドン市場でも欧州株が大幅安でスタートする。ただ、次第に下げ幅を縮小する動きもあって、為替市場ではドル安の巻き返しの動きが中心となっている。ドル円は103円台後半まで反発。その後はNY序盤に向けて103円台前半で値動きが落ち着いてきている。
ドルの買い戻しはユーロドルやポンドドルでも鮮明。ユーロドルは1.12台後半から1.10台半ばへと反落、東京タイムの上昇をほぼ帳消しにしている。ポンドドルは1.25台から1.23台半ばまで反落。その後は1.24台に戻しての揉み合い。
豪ドルはリスク動向がやや落ち着いたことで、対ドル、対円ともに買い戻されている。豪ドル/ドルは0.76割れ水準から0.76台後半へ、豪ドル円は77円ちょうど近辺から79円台乗せまで買い戻された。
ただ、トランプ政権の外交、貿易、金融などの各政策はまだ不透明な面が強く、ECB高官などからは市場を注意深く監視すると発言もあった。米株式先物は大幅安で推移しており、このあとのNY市場にもリスク回避の動きは波及する可能性がある。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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