きょうもNY為替市場はドル買いが優勢となった。米10年債利回りが2014年1月以来の3%の大台に上昇しており、ドル買いを誘発している。ドル円も買いが続いており109.45円近辺まで上昇。朝方にダウ平均は一時200ドル超下落する場面が見られたものの、109円台はしっかりと維持された。
ただ、ここから大きな心理的節目の110円までは抵抗も強そうだ。月初に発表になった日銀短観では、2018年度の大企業・製造業の想定為替レートは109.66円となっており、ここから先は本邦勢の実需売りオーダーも出そうな気配もありそうだ。
さすがに足元の過熱感も否めない。過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは買われ過ぎの70の水準を上回って来ている。10日線からの上方かい離も拡大しており、テクニカル的には冷や水が欲しいところではある。
一方、ユーロドルは売りが続き1.21ドル台に下落。目先は3月1日安値1.2155ドルが意識される。明日はECB理事会が予定されているが、政策変更は何もないことが確実視されている。ドラギ総裁の会見が手掛かりとなりそうだが、PMIなど第1四半期の指標が弱かったことから、ECBは動向を見極めるため、量的緩和(QE)終了の時期などの言及を当初よりも先延ばしにするのではとの観測も出ている。
方向感に変化はないと思われるが、何らかのヒントがドラギ総裁の会見で出るか注目される。いずれにしろ、明日の理事会はユーロ高を誘発する可能性は低いと見られているようだ。
ポンドも軟調。ただ、ポンド円は3日続伸しており152円台半ばまで上昇。米国債とともに英国債の利回りも上昇し、日本国債との利回り格差がポンド円をサポートしている。まだ距離はあるが、目先は4月13日につけた直近高値153.85円が意識される状況。
英政府内から、アイルランドとの国境問題はEU離脱後も解決策を見出せないのではとの発言も流れていた。EU離脱に関しては、関税同盟への残留も含めてまだ不透明な部分も多い。5月利上げの確率に関しては57%程度で推移している状況で、こちらも見方が定まらず混沌として来ている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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