29日のロンドン市場は、ユーロ売りが強まっている。この日の注目イベントは英政府の正式なEU離脱通告。日本時間午後8時過ぎにEU離脱文書がトゥスクEU大統領に提出され、メイ英首相も英議会で宣言した。これで約2年間にわたるEUとの交渉が始まることになる。
市場ではユーロ売りの反応が強まっている。ユーロドルはロンドン序盤にかけて1.08台割れへとやや水準を下げていたが、離脱通告後には1.07台後半から一気に1.0740近辺まで一段安となった。ユーロ円は119円台後半から一時119円ちょうど近辺まで下落。対ポンドでも売られている。
一方、ポンドはジリ高。ポンドドルは1.24割れ水準から1.2476近辺まで、ポンド円は137円台後半から138円台前半までの戻りとなった。ただ、前日の下げを消す勢いには欠けており、対ユーロでの買いフローが下支えとなる程度となっている。ユーロポンドは0.87ちょうど近辺から0.86手前水準まで一時下落した。
ドル円は111円挟みでのもみ合いが続いたあと、ユーロ円の急落に売りが優勢となっている。一時110.72近辺まで本日の安値を広げる場面があった。
欧州株は序盤に堅調に取引を開始したが、次第に上げ幅を削る動き。英FT指数はマイナスに転じている。また、イタリアやスペインなど南欧株も下げている。市場ではEU離脱をめぐるEU側のリスクが再認識されている面があるもよう。
欧州通貨主導の展開のなかで、豪ドルやカナダドルは比較的小動き。クロス円はドル円に連れ安となり、豪ドル円は84円台後半、カナダ円は82円台後半と東京タイムのもみ合い圏からはいずれも20ポイント程度の下げに留まっている。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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