きょうのNY為替市場は終盤になってドル買いが強まった。午後になって公表された1月分のFOMC議事録を受け、一旦ドル売りの反応が強まったが、その動きは続かず、米国債利回りが上げ幅を拡大したことから、次第にドル買いが強まった。
議事録では「成長加速で追加利上げの可能性高まると過半数が判断」とする一方で、一部からは「インフレ目標に遅れる相当程度のリスク」が指摘されていた。また、一部からは「ドル安がインフレ目標達成を支援」との指摘も出ていた。
追加利上げの期待を高める内容ではあるが、インフレに対する慎重な見方も一部混在しており、FRBは慎重姿勢を堅持するのではとの見方につながっている。一部からは年内4回の利上げの可能性も指摘されているが、今回の議事録からはその気配はうかがえない。ただ、今月の米雇用統計や米消費者物価指数(CPI)、更には株安の前の段階の議事録であることは留意される。
ドル円は議事録発表後に107.30円近辺まで一旦下落したが、その後は107円台後半に戻す動き。ただ、米株式市場でダウ平均が失速したことで107円台半ばまで押し戻された。ダウ平均は一時300ドル超上昇したが、166ドル安で終えるなど荒い値動きとなっていた。
一方、ユーロドルは議事録公表直後に1.23ドル台半ばまで上昇したものの、その後急速に戻り売りに押され1.23ドルを割り込んでいる。完全に上値を抑えられた格好となっており、目先は2月9日の安値1.2205ドル付近までの下げも意識される。その水準をブレイクした場合、心理的節目の1.20ドルが視野に入る可能性も高い。
ポンドドルも失速。ただ、きょうは英雇用統計が発表され、注目の平均賃金は予想を上回る伸びを示していた。また、カーニー英中銀総裁の議会証言も伝わっていたが、「向こう数年は更なる出口戦略が必要」との認識を示していた。これらを受けて市場では5月利上げへの期待を再び高めている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
コメントを残す