きょうのNY為替市場は、午後になって公表されたFOMC議事録を受けてドル売りの動きが強まった。議事録ではバランスシート縮小開始については次回9月FOMCでの開始を示唆する内容となっていたが、市場は大方織り込んでおりサプライズはない。
注目は年内の利上げを巡ってのインフレに対する見方だったが、インフレ鈍化は特異な要因としている一方で、大半が2%を下回るインフレは予想以上に長引くと予想していたことが明らかとなった。また、一部からはインフレの下振れリスクが指摘されており、少なくとも年内利上げを後押しする内容ではなかった。
議事録発表前にトランプ大統領が製造業諮問委員会と戦略・政策フォーラムを解散したことでドル売りが強まっていた流れの中での発表でもあり、市場はドル売りに敏感に傾いていたようだ。
ドル円は序盤から上値に慎重だったものの110円台後半の水準は維持されていた。FOMC議事録次第では111円台も期待されたが、結局、一時110円ちょうど付近まで逆に下落している。ただ、110円台は維持されている。
ユーロドルは議事録後買戻しが強まり1.17台後半まで上昇。ただ、序盤は1.16台に再び値を落とす場面も見られていた。一部報道で来週25日にワイオミング州ジャクソンホールで開催されるFRBのフォーラムにドラギECB総裁も参加する予定だが、そこでは金融政策の変更を示唆することは無く、秋の理事会まで現状を維持するのではとの見方が伝わっていた。
序盤は21日線を下放れる動きも見せていたが、議事録後の上昇でその水準は回復している。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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