【ロンドン市場】ドル高圧力が継続、ユーロドルは1.18台割れ

 16日のロンドン市場は、総じてドル高の圧力が続いている。序盤はやや調整的なドル売りの動きがみられたが、ユーロドルやポンドドルが再び売りに押されており、根強いドル買いの動きとなっている。

 ユーロドルは1.17台後半へと下落。序盤に1.1854レベルまで反発したが、ユーロ圏消費者物価の発表後に売りが再燃している。1.18台を割り込むと安値を1.1782レベルまで広げており、年初来安値水準をつけている。ユーロ円は130.50近辺での揉み合いを下放れており、安値を129.73レベルまで広げた。対ドルとともに大台割れとなっている。

 4月のユーロ圏消費者物価指数確報値は前年比+1.2%と事前予想通りだったが、米国の2.5%と比較すると伸びの低さが再確認されている。また、この日はイタリア債やイタリア株が売られている。五つ星と同盟の連立交渉が大詰めとなっており、市場ではポピュリズム政権樹立への警戒感が広がっている。一部報道では、債務減免を求める方針としたが、両党はこれを否定した。コンスタンシオECB副総裁は、景気減速は予想外でも深刻でもない、2018年以降の成長減速は想定済み、と英FTとのインタビューで発言。ただ、金融政策の中期的な将来についての議論は始めていない、まだ時期尚早、としていた。

 ポンドドルも売りが優勢。1.3521レベルまで小反発したあとは1.35台を割り込むと、安値を1.3465レベルまで広げた。ポンド円は149.08レベルまで買われた後は売りが続いており、安値を148.26レベルに更新。ポンド関連の経済統計発表はなかったが、英中銀レポートで消費支出の減速が目立っていると指摘された。さらに、ブロードベント英中銀副総裁が英経済低迷について不適切な表現を用いたことが非難されており、謝罪する事態が報じられていた。

 ドル円は買い一服。東京市場で110.39レベルの高値をつけたあとは、ジリ安の動き。ロンドン序盤に110.08レベルまで下落したが、大台割れは回避されている。米10年債利回りは3.05%まで小幅に低下する場面があったが、足元では3.07%近辺に持ち直している。

 トルコリラが荒っぽい値動き。序盤に、ドル/リラは1ドル=4.5007リラまで上昇、リラの対ドルでの最安値を更新した。エルドアン大統領が中銀政策にこれまで以上に関与する姿勢を示しており、通貨安対策に問題が生じることが懸念されている。しかし、連日のトルコリラの最安値更新の動きに対して、トルコ中銀が必要な措置を取ると表明した。この報道を受けて、トルコリラ相場が急反発している。ドル/リラは4.50台まで上昇していたが、報道後には一気に4.4070レベルまで急反落した。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明
Source: klug

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