きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は112円台に下落した。全体的に様子見気分が強い中、年末に向けてのドル売り需要が観測されており、ドルは軟調な展開が続いている。
ドル円は東京時間から売りが強まり、ロンドン時間には一時112.65円付近まで下落する場面も見られた。21日線が112.95円付近に来ているが、その水準を下回る動き。21日線はなお上向きを示しており上昇トレンドは残しているものと思われるが、更に下にレベルシフトするようであれば、一旦トレンドが消える可能性も出て来る。ただし、現行はあくまで年末のリバランスの範囲でもあり、年明け以降の動きを待ちたいところではある。
ユーロドルは買いが優勢となっており1.19ドル台半ばまで上昇。11月の高値1.1960ドル付近に顔合わせしたもの突破する動きまでは出ていない。年末のリバランスに伴う動きが中心で、相場の方向性かどうかは未知数ではあるが、明日も実需のドル売りが出るとの観測もあり、心理的節目の1.20ドルを付けに行く可能性もありそうだ。
マッタレッラ・イタリア大統領が議会解散を宣言し、来年3月4日にも総選挙が実施される運びとなった。市場では政治リスクへの不安感も出ているものの、今年ほどユーロへのネガティブなインパクトはないとの見方も出ている。
ポンドドルも堅調。きょうは1.34ドル台半ばまで上昇しており、ローソク足が21日線の上に完全に乗せ、上向きの流れを堅持している。ただ、12月中旬にも1.34ドル台半ばで上値を抑えられており抵抗も強まるようだ。今後、1.35ドルを再び試す動きに発展するか注目される。
目先は来年から始まるEU離脱交渉の第2フェーズ(通商交渉)の行方が注目だ。きょうはメイ英首相とマクロン仏大統領が1月にもロンドン近郊で行われるとの報道も流れていた。
年末に向けてのドル売りが続いているが、年初はドル買いから始まるとの見方も一部からは出ている。1月から米税制改革が施行されるが、米企業の海外資産を本国に回帰させる場合の1度限りの減税措置を狙ったリパトリエーションが活発に出ると見ているようだ。ただ、米企業の海外資産はドルで保有されている部分が多く、ドル需要は期待したほどはないとの懐疑的な見方も一方である。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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