16日のロンドン市場は、トランプ相場のドル買いが継続。米債利回りの上昇とともに、各主要通貨でドル買いの動きが広がっている。米10年債利回りはロンドン早朝の2.22%近辺から上昇の動きを続けており、ロンドン中盤には2.295%近辺と、再び2.3%の大台に接近した。トランプ相場に加えて、昨日発表された米小売売上高やNY連銀指数の好調だったことでファンダメンタルズ面からもドル買いが下支えされている。このあとのNY市場では、米生産者物価と鉱工業生産などが発表される。
ロンドンでブラード・セントルイス連銀総裁が講演しており、1回の利上げで政策を中立に戻すのに十分な効果、としたが、トランプ氏の財政出動で中期的な成長は促進されるとの見方が示されている。また、講演後記者団に、12月に利上げしなかったらサプライズに、としており市場の織り込み通りの認識を示していた。
ドル円は東京市場で109円台前半での揉み合いが続いたが、ロンドンタイムに入ると米債利回りの上昇とともにドル買いが再燃する。前日高値を上回り109円台後半に水準を上げており、一時109.76レベルまで買われた。110円の節目水準が視野に入っている。
ユーロドルは1.0750付近での取引でスタート。ロンドン朝方に1.07台前半に軟化すると取引中盤には1.06台に突入し、1.0688レベルまで安値を広げた。年初来安値を更新している。
ポンドドルは序盤に1.2503レベルまで買われたが、すぐに切り返して売られている。一時1.2410近辺と大台割れ寸前まで下押しされた。この日はユーロポンドの値動きは少なく、ドル相場主導に展開になっている。この日発表された7-9月の英ILO失業率は4.8%に低下、11年来の低水準となったが、ポンド買いの反応はみられなかった。
豪ドル/ドルの下げも目立っている。東京タイムの0.75台半ばから下げ続けて0.7465レベルまで下落。東京高値から100ポイント超の下落となった。NY原油先物が時間外取引で軟調に推移していることも資源国通貨売り圧力になったもよう。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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