【ロンドン市場】ポンド急落、カーニー英中銀総裁が早期利上げを否定

 20日のロンドン市場は、ポンド相場が急落した。この日行われたカーニー英中銀総裁のマンションハウス演説での発言が背景。「インフレ圧力は抑制、利上げするときではない」とした。市場では早期利上げ観測が後退しており、英債利回りが低下、ポンド売りが強まった。ポンドドルは1.27台半ばから1.26台後半へ、ポンド円は序盤に142.50台まで買われたが、発言後は141円台前半へと急落。ユーロポンドは0.87台半ばから0.88台乗せとなった。先週15日の英MPCでは利上げ票が前回の1名から3名に増加したことでポンド買いが強まったが、きょうの下げで対ドルや対ユーロでのポンド買いは帳消しになっている。カーニー総裁はEU離脱の実体経済への影響を見極める必要がある、としていた。

 その他主要通貨は比較的小動きだが、欧州株や原油先物動向をにらんで、やや円売りが一服してきている。欧州株は続伸で取引を開始したが、銀行株や資源関連株に売りが優勢となっており、上げ幅を縮小する動き。NY原油先物が44ドル台半ばから43ドル台前半まで急落しており、昨年11月以来の安値水準になっている。

 ドル円は111.79レベルまで小幅に高値を伸ばしたあとは、111.50割れ水準まで反落と買いは一服。クロス円も円買い方向への動きへと転じている。ユーロ円は124円台後半から124円台前半へ反落。序盤に85円台をつけた豪ドル円は84円台後半へと上昇が一服している。

 やや調整ムードもあり、このあとの米金融当局者発言などには注意が必要な面も。フィッシャーFRB副議長は、いくつかの国で住宅価格は高水準かつ上昇している、住宅価格上昇は長期にわたる低金利が背景、と住宅市場について注意を喚起していた。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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