きょうのNY為替市場、米国債利回りが下げ幅を拡大する中、ドル円は上値の重い展開が続いており、日本時間1時のロンドン・フィキシングにかけて一時106.50円付近まで下落した。ただ、終盤になって米株式市場でダウ平均が上げ幅を伸ばし、米国債利回りも下げ一服となったことから、ドル円も下げ渋っている。
株式市場が落ち着きを取り戻す中、米国債利回りの下げがドル円を圧迫している模様。米10年債利回りは心理的節目の3%達成目前で失速している格好だが、このところの弱気相場(利回り上昇)を見直す動きも出ているのかもしれない。
今週はFOMCメンバーの発言も多数伝わっているが、慎重姿勢を強調した発言が多く見受けられており、きょうもローゼングレン・ボストン連銀総裁が低金利がしばらく続く可能性に言及していた。これらを受けて市場も、今週のFOMC議事録後の動きを修正しているのかもしれない。
ドル円がもし、106円台半ばの水準をブレイクするようであれば、直近安値の105.55円水準が再び視野に入る可能性もありそうだ。
一方、ドル安というよりも円高の動きも序盤は出ていた。ユーロ円や豪ドル円などクロス円での円高の動きがフィキシングに向けて見られた。ただ、米株は大幅に続伸しており、原油も上値追いとなっていることからリスク回避の円買いではない。フィキシングに絡んだ実需の動きと思われる。
ユーロ円は一時130円台に下落し、200日線を一時下回っている。200日線を下回るのは仏大統領選があった昨年4月以来。昨年4月から今年2月始めまでの上昇波のフィボナッチ38.2%戻しが128.60円付近に来ている。心理的節目の130円を割り込むようであれば視野に入る可能性もありそうで来週以降の動きが警戒される。ただ、可能性としてはまだ低いものと思われる。
豪ドル円も下げが続き、2月14日に瞬間的に付けた安値を一時下回り、昨年6月以来の水準に下落した。
なお、来週はパウエルFRB議長の初の議会証言が予定されている。下院では当初予定していた28日から27日に繰り上げられている。それに向けてこの日、FRBから金融政策報告が公表されていたが、特に反応はなかった。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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