きょうは米大統領選の投票日という中、NY為替市場ではドル買いが強まっている。一部ウェブサイトで、期日前投票のモデル分析から、クリントン氏がトランプ氏をリードしているとの報道が流れている。ウェブサイトでは現地時間の午前に7つの州の期日前投票の分析を伝えていたが、6州でクリントン氏がリードしていた。特に大票田のフロリダ州でのリードは期待感を高めたようだ。
クリントン氏への期待でドル高が優勢になったが、クリントン氏が大統領に就任したからといって、その経済政策がドル高を誘発するということでは無いであろう。トランプ氏の外交に対するスタンスや貿易、そして、移民政策などを市場は敬遠しており、クリントン氏というよりもむしろ、トランプ氏ではないことへの期待がドルを押し上げているものと思われる。クリントン氏なら何も起こらないということなのかもしれない。
クリントン氏勝利ならば為替市場はドル高が見込まれているが、市場はクリントン氏の勝利の確率を7~8割程度で見込んでいる模様。だいぶ織り込んでいる節もあり、一部では、一旦、噂で買って事実で売る動きもリスクとして意識されているようだ。
いずれにしろ、日本時間の9日昼ごろには結果が判明すると思われるが、それまでは市場も開票速報に一喜一憂することになりそうだ。
米株や米国債利回りも上昇する中、ドル円は心理的節目の105円を突破し、一時105.20付近まで上昇。心理的節目の105円台を回復してきたことで追随する動きも出ていた模様。上値メドとしては、目先は10月28日の高値105.50付近、その上は200日線が106.75付近に控えている。そして、その上は7月高値の107.50付近が意識されそうだ。
一方、ユーロドルは売りが強まり、一時1.1010近辺まで下落した。先週までのリバウンドで10日線と21日線のゴールデンクロスを示現しているが、今週に入ってからの戻り売りで100日線に跳ね返されてもいる。再び下向きのトレンドに戻しそうな気配も出ており要注意ではある。きょうはフィボナッチ38.2%戻しや10日線の水準も一時下回っていた。
ポンドドルも売りが優勢となり、一時1.2360近辺まで下落。ただ、対円やユーロに対しては上昇しており、ポンド円は130円台を回復している。円やユーロに比べればポンドは底堅い印象もあった。
英EU離脱について政府が、議会の承認を得ずにEUに対してリスボン条約50条の通告を行えるか裁判になっており、英裁判所は事前の議会承認が必要との判断を下していた。
これに対し、政府は英最高裁に上告しており、その動向が注目されるところだが、英最高裁は12月の5日と8日に聴聞会を行うと発表した。11人の最高裁判事が全員出席するという。ただ、判断については来年としている。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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