きょうのNY為替市場は税制改革案の骨子の発表を受け、ドルは戻り売りに押されている。トランプ政権が公表した税制改革案の骨子は、法人税の15%への引き下げや、課税区分を10%、25%、35%の3段階に簡素化、子育て家庭への税額控除などが盛り込まれている。
また、代替最小税額の廃止や最高税率の39.6%から35%への引き下げなど中間層のみならず、富裕層への減税措置も盛り込まれた。
企業が国外に留保している利益については1回限りの低率での課税に留め、その後、領土制課税に移行することにより、本国回帰させる場合は無税という優遇策も議会と協議しているとしている。
ただ、ドルは売りの反応を見せた。ある程度事前に伝わっていた内容でもありサプライズも無かったことから、とりあえず材料出尽くし感からドル売りの反応を見せたようだ。
ドル円は税制改革案への期待から前半に、111円台後半まで上昇する場面も見られたが、改革案の公表後は、111円台を割り込む動きも見られていた。
一方、ユーロドルは1.08台半ばまで一時下落していたが、1.09台に戻す動き。明日のECB理事会を控えてポジション調整も出ていた。一部では、仏大統領選の2回目の投票でマクロン氏が大統領に決まった場合、ECBは6月の理事会で何らかの文言を変更してくるとの見方も出ている。
ただ、さすがに明日の理事会では変更は無いものと思われ、これまでの緩和継続姿勢を強調してくることが予想されている。先週、G20財務相・中央銀行総裁会議でワシントンを訪問していたドラギ総裁も、インフレ上昇の確信はないと言及していた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
コメントを残す