【NY市場】短期筋中心の売買のなかドルは上下動

 きょうのNY為替市場、序盤はドル買いが優勢となったものの、後半になってドルは伸び悩む展開となった。この日は主な米経済指標の発表もなくイベントも少なかった。クリスマス週に入って市場参加者も少なくなる中、商いは薄く短期筋の売買が中心。

 ドル円は序盤、118円台前半で始まった。きょうは買戻しが優勢となっており118円台を再び回復していた。きょうの日銀の決定会合を受けて買い安心感が広がっていたようだ。

 日銀は予想通り政策を据え置き、景気判断を引き上げて来ている。市場の一部には10年物国債をゼロ付近で固定させている現行の金利操作を近い将来に水準を引き上げる可能性を示唆してくるのではとの観測も出ていた。しかし、黒田総裁はその観測を否定した格好となっている。

 ドル円も安心感から買戻しが入っていたが、120円を試す雰囲気までは出ていない。円ショートもかなり積み上がっており、トランプ氏の経済政策も具体的な中味はなお未知数の中、クリスマス・ラリーというわけには行かなかったようだ。もう一段きっかけが欲しいとこなのかもしれない。

 118円台前半の水準から上値を試す気配も出なかったことで、後半には見切り売りが出たようだ。ただ、上値期待も根強い中、下押す気配までは出ていない。

 一方、ユーロドルは序盤は売りが優勢で一時1.0350付近まで下落し、2002年以来の安値水準を更新。ただ、クリスマス相場で薄商いの中、動きに力強さがなく、1.3050水準が固かったことから後半には1.04ちょうど付近まで買戻されている。

 ユーロに関しては特段の新たな材料はない。ECBは緩和姿勢を強調しており、来年の政治リスクもある中、先行き不透明感は根強い。また、前日のドイツのテロでクリスマス商戦の消費行動に影響が出る可能性も警戒されている。一方で前日発表のドイツIfo景況感指標や、この日のドイツ生産者物価など足元の指標はユーロ下落を裏付けてはいない状況。

 ただ、下向きのセンチメントは一向に変化はなく、パリティ(1.00)を視野に入れた動きが続いている。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

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