きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りが優勢となった。きょうは北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験で円高が強まり、東京時間には一時112円台に下落したものの、下値での買い意欲も旺盛で113円台に戻す展開となった。ロンドン時間には一時113.70付近まで上昇するなど上値期待も高まっている。
しかし、NY時間に入ると原油相場が再び急落しており、米国債利回りも下げる中、ドル円も急速に戻り売りが強まった。午後に発表になったFOMC議事録では「大半がインフレ鈍化は特殊要因が原因」と判断していたことが明らかとなり、6月のFOMC時の雰囲気と違いはなく、FRBの正常化に向けたタカ派姿勢を温存する内容となっている。
発表後はドル買いが優勢となり、113円台前半に下落していたドル円も113.50付近まで戻したものの、まもなく113円台前半に戻している。原油相場の下げが止まらず、45ドルを一時割り込んでおり、ドル円の上値を圧迫したようだ。
一方、ユーロドルは利益確定売りが続き4日続落。直近の急速な上昇に警戒感も出始めている模様。ロンドン時間に発表されたユーロ圏のサービス業PMI確報値は速報値から上方修正されていたものの反応は限定的。ただ、今回のPMIの結果を受けて、景気回復は予想以上に順調との指摘も聞かれた。
ユーロドルは1.13ドル台は維持しており、下押しの動きを強めるまでにはまだ至っていない。1.13ドルを割り込んだ局面では押し目買いを推奨する向きもいるようだ。
ECBの出口戦略に期待感が高まっているが、市場の一部からは、9月か10月の理事会で量的緩和(QE)拡大ペースの縮小の来年1月からの実施は発表されるものの、詳細については12月の理事会になるのではとの見方も出ている。時間差を作ることによって、ECBは市場の反応を確認し、それにより量やペースを調整する可能性もあると指摘していた。
ユーロ円やポンド円もきょうは上げ一服となった。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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