【NY市場】ネガティブな材料もドル円はしっかり

 きょうのNY為替市場、弱い米経済指標の発表などネガティブな材料が相次いだにもかかわらずドル円はしっかりとした動きを続けている。この日発表になったPCEデータやISM指数はともに予想を下回る内容となった。また、午後にはトランプ大統領が「大手銀行の分割を前向きに検討」と述べ、株式市場で銀行株が急速に伸び悩む動きを見せたことから、ドル円も売りが強まった。一時111.40付近まで下落したものの、下値での押し目買いも根強く111円台後半に戻している。

 先週末のGDPやこの日のISMなどの指標が弱かったことから、週末の米雇用統計への不安も出ているようだ。一方で今週はFOMCが控えているが、FRBの利上げとバランスシート縮小開始の方向性に変化を与えるものではないという見方が優勢。今回のFOMCはイエレン議長の会見や経済見通しなどの公表も無く、声明のみが手掛かりとなるが、概ね変化は無いものと見られる。

 ドル円は東京時間の後半に112円をうかがう動きが見られていたが、きょうはレイバーデイで欧州勢が休日ということもあり、その手前で伸び悩む展開が見られていたが、112円を試す気配は十分。先週からの上昇で10日線と21日線のゴールデンクロスが示現している。更なる上値も期待できそうな流れになっているが、目先は3月末の高値112.20が意識される。

 一方、ユーロも力強い動きが続いており、ユーロ円は122円台まで上昇してきている。市場はECBの出口戦略への期待を高めている。このところの欧州の指標が好調で、特に先週は、4月のユーロ圏消費者物価速報値が発表になっていたが、予想を上回る内容となり、エネルギー・食品を除くコア指数で、前年比1.2%まで上昇しており、ECBは6月に出口戦略に向けてガイダンスを変更してくるとの期待を裏付ける内容となっていた。

 ユーロ円は今年に入って、123円台で上値を抑えられていたが、今回は3月高値の122.90付近を突破して、123円台を回復してくるか注目される。

 ポンド円は144円台での推移となっており、145円台をうかがう展開が続いている。メイ首相が6月8日に解散総選挙を実施する意向を示して以降、ポンドはこれまでの下げトレンドからの転換が見られており、リバウンドの流れが続いている。その英総選挙だが、ICM/SUNの世論調査によると、メイ首相が党首の保守党の支持率は47%、野党労働党が28%となっており、メイ首相が優勢となっている模様。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

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