【NY市場】ドル買いが続く 利上げ確率80%近くまで織り込む

 きょうのNY為替市場はドル買い優勢の展開が続いており、ドル円は114円台半ばまで回復してきている。市場ではトランプ大統領の議会演説を無難に通過し、景気回復への期待感を再び高めている。そのような中、3月FOMCでの利上げ期待がここにきて急速に高まってきている。

 FOMCメンバーである米地区連銀総裁から3月利上げの可能性を強調する発言が相次ぐ中、きのうはブレイナードFRB理事が、米利上げは「すぐに適切になりそう」と述べたことが更に期待を刺激したようだ。同理事はこれまで、どちらかと言えば慎重姿勢が強い理事であっただけに、ドル買いを誘発した模様。

 明日、イエレンFRB議長とフィッシャーFRB副議長の講演が予定されている。最終的には来週10日の米雇用統計で確認ということになるが、もし、市場の期待を追認する内容であれば、更に市場は利上げを織り込む動きを強めそうだ。

 ちなみに、CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、3月FOMCでの利上げ確率は80%近くまで急上昇している。

 ドル円は114円台を完全に回復し、114.50付近まで上昇してきた。ここから115円までの間には輸出企業やオプション絡みの売りオーダーも観測され抵抗もありそうだが、下値では押し目買い意欲も旺盛で底堅い動きとなっている。

 ロング勢も勢いづいてきており、明日、イエレン議長の講演が利上げ期待を肯定するような内容であれば、115円台を回復する可能性も十分出てきた。

 一方、ユーロドルは心理的節目である1.05を割り込む動きが見られている。1.05を割り込むとオプション絡みなどの買いも出るようで、きょうのところは下押す動きまでは出なかったが、上値は依然として重そうだ。

 きょうは2月のユーロ圏消費者物価速報値が発表になっていた。エネルギー価格の上昇から総合指数は2.0%とECBの目標近傍に顔合わせしているが、コア指数は0.9%と依然として1%を下回る水準で推移している。

 来週はECB理事会が予定され、スタッフ見通しも公表される。インフレ見通しは上方修正になる可能性はあるが、あくまでエネルギー価格上昇が主な要因で、出口戦略のメッセージはないものと思われる。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です