【NY市場】ドル円は109円台回復 税制改革への期待 ジャクソンホールに向けた調整

 きょうのNY為替市場は前日と逆にドル買いが優勢となった。きょうも主要な米経済指標の発表も無く手掛かり材料に乏しい中、週末に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるFRBのシンポジウムに向けた調整の動きが中心だったようだ。

 一部報道で税制改革で個人と企業の税負担を軽減する財源を確保する手段について、ホワイトハウスや共和党議員らが共通の見解に達したと報じられたことも材料視されていた模様。

 トランプ大統領の経済政策運営や北朝鮮問題は依然として不透明感が根強いものの、きょうは米株も大きく買い戻されており、ドルをサポートした。

 ドル円は前日の108円台からきょうは109.65付近まで上昇し、10日線に到達している。21日線が控える110円台前半の水準を試す流れになるか注目されるところではある。

 ジャクソンホールで開催されるFRBのシンポジウムだが、イエレン議長のほか、今回はドラギECB総裁も出席の予定。イエレン議長は9月FOMCでのバランスシート縮小開始に言及してくることが予想されるが、市場は既にそれを織り込んでおり、注目はインフレ見通しと年内利上げについて何らかのヒントが出るかあろう。

 市場では足元のインフレは鈍化傾向にあるものの、一時的要因でインフレ目標に向かって行くとの見解を議長が強調するようであれば、年内利上げ期待が高まりドル買戻しが強まるとの見方も出ているようだ。ユーロに買い疲れが出ているという面もある。

 一方、ユーロドルは軟調。夏休みで市場参加者も少ない中、前日は1.18台まで買い戻されていたが、きょうは欧米株とも大きく上昇しており、利益確定の動きが優勢となった。1.1750水準はサポートれたものの、きょうの下げで再び21日線を下回っている。週末のジャクソンホールを控えてユーロロングの調整が出ていたものと見られる。

 ECBの出口戦略への期待から今年に入ってユーロ高が続いている。直近の米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉データではユーロロングは5年ぶりの高水準まで積み上がっている状況。

 ジャクソンホールでのドラギ総裁の講演が注目されているが、直近のユーロ高を警戒して出口戦略を強調することはないとの見方が市場では優勢になりつつある。これをきっかけにユーロロングの調整が強まると見ている向きまでいるようだ。ただ、その辺は未知数。

 更にユーロ高が続くようだと逆にインフレ鈍化懸念が強まり、ECBは市場の期待よりも緩やかな出口戦略を取らざるを得なくなるとの見方も出ている。ユーロドルで1.20台が視野に入る中、ECBも神経質になっているものと見られる。

Source: klug

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